SmartHRがストックビジネスの代表格である理由
2019年7月22日、株式会社SmartHRは約61億5000万円を国内外のVCから調達したと発表しました。ベンチャー企業がこのような巨額の資金調達を行うことは極めて稀です。
では、なぜそれが実現できたのでしょうか?
それはSmartHRのビジネスモデルが、今話題の「ストックビジネス」の典型例であるからです。
本記事ではストックビジネスという観点からSmartHRのビジネスモデルを分析し、今後の成長について考えていきます。
SmartHRとは
引用:SmartHR公式HP(https://smarthr.jp)
SmartHRは社会保険や雇用保険の手続きなど手間がかかる作業をクラウド上でまとめるクラウド型ソフトウェアです。
人事情報を簡単に収集でき保険に関する書類を自動作成し、役所への電子申請も可能です。そして、集めた従業員データを一元管理することもできます。
従業員情報がすべてクラウド上に集約されるため、現状紙媒体での配布であった給与明細や年末調整は簡単な質問に答えるだけで申告書類が完成します。
まとめると「労務管理の効率化」が可能となるソフトということができます。
料金体系については、会社規模に合わせたプランが用意されておりサブスクリプションモデルが採用されています。
SaaSの市場規模は著しく拡大
引用元:SMARTCAMP
SaaSとは「Software as a Service」の略で、パッケージとして提供されていたソフトウェアを インターネット経由でサービスとして利用することで、SmartHRはまさにSaaSに該当します。
上のグラフは2017年版ではありますが、SaaSの市場規模推移を表しています。2016年時点での市場規模が3000億円であったのに対し、2021年にはその約2倍の5800億円に達すると予想されています。
また、このSaaSとストックビジネスは非常に親和性が高いことが知られています。
なぜならSaaSは大規模なソフトウェアを一度購入するのではないため、同じサービスを利用していくには定期的にお金を払う必要があるからです。
そのため企業は自社の顧客が離脱しないよう、顧客を積み上げる仕組みづくりを始めます。これがまさにストックビジネスなのです。
SmartHRのここがすごい①チャーンレートが低い
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株式会社SYGでは、ストック型上場企業を中心に決算書や経営状況、今後の成長性などの解説・分析などを記事にして発信しています。