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妙な緊張感から懐かしさを思い出す
「えっ?お巡りさんが両脇に立ってる!何事?」
車を運転していて、脇道から大通りに出ようとした時のこと。
ふと目に入ったのは、警察のバイクが3台。さらに、制服姿のお巡りさんが左右に1人ずつ立っていた。
「何かあったのかな?」
そんな不安が頭をよぎったけど、まずは停止線の前できちんと止まらないと。
だけど、目の前に警察の人がいるだけで妙に緊張する。
心の中で繰り返したのは、まるで教習所で習った時の言葉みたいなフレーズ。
「右、左、右、よし!」
実際にはそんなに大きな声で言ったわけじゃないけれど、緊張のせいで頭の中はほぼ真っ白。手に力が入り、アクセルを慎重に踏みながら大通りへと車を進めた。
「こんなにお巡りさんがいるなんて珍しいな」
なんでこんな状況なのか気になりつつ、ゆっくり進む。
すると目に入ったのは、ランドセルを背負った小学生たちが横断歩道を渡っている光景だった。
「ああ、そうか。小学生が帰る時間だからだ。」
その瞬間、小さい頃の自分の姿が浮かんできた。ランドセルを背負って、友達と笑いながら歩いていたあの帰り道。毎日ではないけれど、校門を出た先にある交差点に警察官が立っていて、安全に見守ってくれていたことを思い出した。
「あの頃はこんなふうに守られてたんだな……」
ふと、過去の自分と今の自分がつながった気がした。
大人になって車を運転するようになり、時々こんなふうにドキドキすることがある。とくに警察官が目の前にいると、何も悪いことをしていないのに緊張するものだ。
しかし、その瞬間に感じた違和感や緊張が、懐かしい記憶と結びつくことがあるのは不思議だ。あの時の自分がいたからこそ、今こうして何気ない日常を送れているのだと気づくことがある。
あの時の帰り道。見守られている安心感と、家に帰るまでのワクワク感。
そんな思い出を心の中でそっと呼び起こすことで、今感じている不安や緊張も少しずつ溶けていく気がする。
大人になると、つい目の前の仕事や責任でいっぱいになってしまいがちだけど、小さな頃の自分が持っていた安心感や自由な心を思い出すことも大切だと思う。
そんな気持ちを忘れずにいられたら、明日もきっと少しだけ気持ちが軽くなるんじゃないだろうか。
どんな緊張も、いつかは心の中で懐かしい記憶に変わる。
そんな日を楽しみに、今日も一歩ずつ進んでいこう。
本日も読んでいただきありがとうございました。
良い一日をお過ごしください。