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アフターコロナのホテル像
(ちょっとショッキングな写真でスミマセン…適当なのが見つからなかったので!)
先日、アメリカのホテルがどのように営業を再開するかについての記事を読んだ。
うわ、マジで?っていうのが一読した感想。これじゃ病院じゃん。
ま、Hospitality と、Hospitalは文字も似ているけど。
めちゃくちゃ雑かつ簡単にまとめると、
部屋や館内の清掃、消毒にめちゃくちゃ手間暇かける
それに反し、スタッフとゲストとのコンタクトをなるべく避ける
…というのがメインコンセプトになるようだ。
上記の記事はアメリカの話なので、国によって違いは出てくるだろうが、大手チェーンホテルの多くがアメリカベースなので、これにならう国も多いだろう。
清掃の話は今回は置いておいて、アフターコロナのホテルで、ゲストサービスがどのようになるか考えてみた。というのも僕のポジションがコンシェルジュなので、仕事に実際関わって来る大問題なので。
上記の記事だと、
#Valet Parking (ゲストの車を駐車するサービス)がなくなる
#荷物はゲストが自分で運ぶ
#チェックインはなるべくコンタクトレス
#ルームキーはなるべく発行せず 、ゲストの携帯を使う
#フロント 、コンシェルジュと話す際は、デスクに設置された透明のボードを通しての会話
...といった変化を挙げている。
まずいなあ、これだと、ベルスタッフはほとんど必要なくなるし、ドアマンなどの役割もかなり制限されるので、ホテルの営業が再開しても、僕が所属していたセクションは必要とされる仕事量がぐっと減り、リストラの可能性が大である。まずすぎる。
自分の仕事であるコンシェルジュの仕事に限って言えば、どうなるの?
コンシェルジュは、ヒューマンタッチというか、人間らしい顔を合わせての接客やサービスでなんぼ、といった存在意義があったと思うのだが、コロナ後では、ホテルのサービスがどんどんコンタクトレスに移行すると思う。
握手、面と向かっての会話なんてのはNGになってしまうようだし、例えば今までなんてこともなくやっていた、ゲストに地図を手渡し、ペンで情報を追加して道順の案内をする...といったサービスだって不可、もしくはそれを嫌がる人が断然増えるだろう。
そしたら、俺たちは廃業か?
いや、そんなのは絶対嫌なので、どうしたら継続してコンシェルジュサービスを利用してもらうかを考えなくては。
まず、今までの対面型の接客はがくりと減り、電話やチャットでの接客スタイルが増えるだろう。
今までもそういったサービスは行ってきたが、それはあくまでも、デスクに来ることができないゲストのための次善策、みたいな形だったと思う。
例えば、来週予約を取ったホテルに連絡をして、空港送迎、ツアーやレストランを手配してもらうとか、既に滞在しているのだが、仕事先から今晩のレストランを予約を要望する、なんて場合にはメールやチャットシステムは有効だった。
ただ、これからは例えゲストがホテル内にいるにせよ、なるべく至近距離で唾を飛ばしながら(失礼)会話をする…というのはゲスト、スタッフ双方にとって危険すぎるので、コンタクトレスでサービスを提供する、という形がメインになるようだ。
先ほど挙げた地図で道案内...なんてのも、例えばグーグルマップで道順を描き、それをゲストに送る…なんて感じになるのかな。
ポジティブな面を挙げると、これまで以上にローカル知識が重要視されるだろう。なかなかインターネットでは拾えないナマの現地の知識。それをこまめに拾ってゲストに提供していければ、水先案内人としてのコンシェルジュの重要性をアピールできるかも。
ただ、実際に形をとって現われるものが今までとはうって変わるので、本当に頭を使って考えないといけないし、どう考えてもホテル、旅行業界の状態が回復するのは様々な業界の中でも一番最後の方だと思う。なので、今まで以上に自分の価値を高めないと、職を失う可能性もかなり高いはずだ。
幸か不幸か、勤め先のホテルから休職指示を出され、減給で自宅待機となっているこの状況を無駄にせず、色々考えていこうと思う。
アレコレ書いていると、いやあこれはしんどいなあ、というのが正直な気持ちだ。ただ、これは絶対に譲れない一線なのだが、僕は人と人との温かみや、誰かに何かをする、ということの大事さは絶対になくならないと思うし、コロナがあろうがあるまいが、ソーシャルディスタンスを保たなくてはいけなくても、根本的には変わらないと信じている。
自分の信じたことに従って、自分のできることをやるだけだ。