遠くの泊地にヨットを持つメリットとデメリット
ヨットは購入するとしても高額な買い物です。 しかし、その維持費や係留費用が実は購入費用より高いという課題があります。
一般的にサラリーマンが個人で購入するサイズとしては、30フィートから40フィート前後が中心となります。
このサイズの船を関東や近畿のマリーナで係留となると、年間100万円を越えるケースもあり、10年間の維持コストで1000万円を超えてしまいます。
また船は保険への加入や毎年の船底塗装、機材の老朽化に伴う更新コストなど、銀行口座への負担はとても大きいのです。
ヨット乗りは様々な方法でこのコストを削減すべく、あらゆる努力を惜しまないのです。
泊地を都心から離れた場所とすることで、この維持費用は3分の1からもしかすると10分の1に下げる事ができるのです。
週末に遠距離ドライブや、電車もしくは飛行機での移動を厭わないという方が結構いる事がわかりました。
リタイア前の現役の方でも毎週末LCCを利用してセーリングやクルーズを楽しむというライフスタイルも選択出来るのです。
関東圏の方が千葉や沼津、伊豆方面で係留するケースとして、以下の3地域については自分の艇を保管した経験からアドバイスが可能です。
その1 西伊豆 安良里
バスもしくは自家用車でのアクセスで、
漁協が管理している泊地とシップビルダーズの管理している泊地があり、アクセスは大変ですが、天然の良港です。
その2 伊豆 下田
関東方面から伊豆急行で下田までアクセスできます。 南に大きく開いた泊地ですので、台風通過時には相応の対策を取らないとヨットにダメージを受ける可能性があります。 保管条件に風水害対応の船体保険への加入を求められました。
その3 沼津 重須、古宇
駿河湾奥の泊地なのである程度守られています。伊豆周辺は沖どめなのでテンダーでのアクセスが必要です。
冬でも温暖で湾内なので風が吹いてもうねりが少ないです。人気があり、空き待ちになりますが、多くは関東圏のオーナーさんが利用しています。
メリット
係留費用が安い
水が綺麗
本船や漁船、釣り船が少ない
別荘として長期滞在も楽しめる
西伊豆は泊地も多い
伊豆諸島へのアクセスが良い
デメリット
車でのアクセスで渋滞に巻き込まれる
桟橋係留ではなく、沖留めが基本
日帰りだと運転で疲れてしまう
車でも電車でも時間がかかる
現役世代は週末にヨットに乗るスタイルが中心なのでどうしても自宅からの距離が問題になります。
時間が自由に使える自営業やリタイア組に人気なのが、瀬戸内や九州方面の泊地です。 最近はLCCの登場で片道1万円ぐらいでフライト確保ができる時代です。
九州方面の泊地は現時点でも人気が高く、空き待ち状態となっているようです。
遠隔泊地の選択肢
別府北浜ヨットハーバー
ハウステンボスマリーナ
長崎出島マリーナ
与那原マリーナ
九州、沖縄は台風の襲来が課題ですが、地形と管理がある程度整っているので、事前対策で多くのケースは乗り切れるようです。
また上記以外にも自主管理型の泊地も多く、場所によって年間係留費用が10万円というケースも見受けられるようです。
「ヨットを持つ=お金持ち」のイメージですが、普通のサラリーマンでも共稼ぎで2馬力で有れば十分にヨットライフが手に入ると思います。 関東圏では泊地の制約や、維持費の問題で小型ヨットになってしまいますが、発想の転換でより大きなクルージングスタイルのヨットに手が届くかもしれません。
キャンピングカーは今ブームとなっているようです人生一度きり、日本を海から回るという旅スタイルについてもまた別の魅力があります。