街の電気屋さん
街の電気屋さんの存在を不思議に思っていた。大型電気量販店も横浜や主要な駅にあって、街の電気屋さんは一体やっていけているのかと。閉店することなく、店名が書かれた軽トラックが走っているのを見かけると何とかやっていけているのかと。
最近、我が家はその街の電気屋さんの有難さを実感している。昨年亡くなった父は家の中の電気工事などは工具を使って自分でやっていた。だから、何か不具合があれば父に言えば数日の内には解消していた。しかし、父が認知症になり、亡くなり、いなくなると事情が変わっている。母や私にそんなことは出来ない。
街の電気屋さんに最初にお願いしたのは、台所の換気扇と室外機の土台。我が家に設置されていた昔ながらの換気扇は規格が古いらしく(Nationalと記載があった)、それに合う換気扇カバーがもうなかった。父は大きさが合いそうなものを裏返しにしてネジ止めしていた。私がやるようになってからも、何回かその方法でカバーを付けていたが、ネジがとまらなくなってしまった。
大型電気量販店に換気扇を見に行って見たが、今換気扇が設置されている場所にそれが合うのかさえ分からなかった。もう一つ問題の室外機の土台はプラスチックが劣化して、いつ倒れてもおかしくない状態だった。街の電気屋さんに相談しようと連絡をした。
店員の方が軽トラックで来て、換気扇の大きさや、室外機の土台の状況などを確認。品物を取り寄せ、後日換気扇も室外機の土台も交換してもらった。どうしようかと途方にくれていたので本当に助かった。その後も、換気扇のフィルターを注文すれば家まで配達してくれ、切れた蛍光灯を持っていけば、それと同型のものを店内から探してくれる。
これが街の電気屋さんの強みかと分かった。大型家電量販店にはない、気軽に頼めて、痒いところに手が届く感じのサービス。「何かあったら、いつでも連絡下さい。」の一言が大きな安心を生む。我が家も助かっているが高齢の方のお宅も助かっているに違いない。数年後、我が家は住み替えを検討している。新しい場所にも街の電気屋さんがあると嬉しいものだ。
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