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友達100人?

 「一年生になったら」という曲がある。「一年生になったら 一年生になったら友達100人できるかな…」という歌いだしの有名な曲だ。「友達100人できるかな」は優しい顔をした呪いの言葉だ。

 小学校に上がる時に、私も近所の人に言われた。「友達いっぱい作らないとね」などと。正直プレッシャーだった。今までと違う環境で、違う子がいっぱいで、どうなるか分からない。学校の勉強って?不安要素がいっぱいなのに友達もいっぱい作らないといけないのかと。

 十分すぎる大人になった今の私がその頃の自分に言ってあげたい。「友達1いっぱいも100人も作る必要はない。数人、片手、片手未満でもいいし、同い年でなくてもいいし、同じ学校でなくてもいいし、同じ国でなくてもいい。焦って作らなくてもいいんだよ。」

 今の学校はどうなのだろうか。やっぱり「友達を作りましょう」なのだろうか。私は学年ごとに仲の良い友達は出来たし、学校生活もそこそこ楽しかった。でも、いつも同じクラスメートと一緒というのが息苦しい時もあった。クラスの中で目立っている子や影響力のある子の言動、そして静かに行われているイジメ。教室の中は限られた人とスペース故に複雑な人間関係だ。今はSNSも普及しているから更に複雑になっているだろう。

 友達はいた方がいい。でも、100人はいらない。100人は単なる知り合いだろう。友達がいた方が長い人生は楽しいだろう。子供や若い人に、子供だった自分に「無理やりや焦って作る必要はないからね。でも、友達になりたいと思ったらちょっと勇気を出して声を掛けてみよう。大丈夫、きっと相手だって緊張しているから」と言ってあげたい。

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