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26年後

 ふと、自分が生まれたのは戦争が終わってから何年後だったのだろうと思った。小さい頃の記憶の中には戦後の暗さはない。世の中的には、子供の数も多くて、まだ高度成長期だった。

 私は1971年、昭和46年生まれ。終戦が1945年で昭和20年のこと。私が生まれる26年前が終戦の年。26年ってどのくらいの長さだろう。今53歳なので、26年前というと、27歳のころ。社会人になって、まだ数年くらい。年月はかなり経っているが、思い出せないほど遠くではない。

 私が生まれた頃、小さかった頃は、まだ戦争の記憶が遥か遠くという訳はなかった人々がまだまだいたということだ。全く感じなかった。これが平成生まれならないというのはよく分かる。26年しか経っていなくて、あんなに世の中から戦争や戦後の厳しい気配はなくなるものなのだろうか。子供だったから分からなかっただけだろうか。

 自分の親は戦争末期位に生まれたので、厳しさを経験しているはずだが話を微かにしか聞いたことがない。親からしたら「思い出したくない思い出」なのかもしれない。私の親世代はたぶん戦争を経験した最後の世代だろう。聞いてこなかった、聞かされてこなかった戦争の記憶は遠く、薄くなり、戦争への危機に疎くなっているようだ。

 子供の時、夏にはテレビで戦争関係の番組をやっていた。アニメや映画など子供でも見られるものを放映していた。最近はそういうものも少なく感じる。これからの日本はどうなっていくのだろうかと不安を感じる。

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