【2021年8月30日】ジャクソンホールの考察と米雇用統計予想
こんにちわ。
高橋勇気です。
さて先週は大注目のジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演が行われました。
結果は先週のこちらのnoteで予想した通り、テーパリングの年内開始には言及したものの、それ以上のヒントを市場に与えなかったことから小幅なドル安となりました。
今日はこのジャクソンホールの振り返りと今週のマーケット予想について書きたいと思います。
話が逸れますが、FXをやる上での重要知識をこちらに書いております。
私は以前、メガバンクでFXのトレーダーをしており、プロの目線からFXについて書きました、こちらを読めば、FXをやる上でかなり有利にあるかと思います。
メガバンクの元外国為替トレーダーが語る、FXをやる前に絶対に知っておきたい11個のこと
27日(金)23時のジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演について
8月の大注目イベントであったジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演は大方の予想通り、市場を大きく動かすことはありませんでした。この辺の理由については先週アップしましたこちらのnoteをご覧ください。
【2021年8月23日】今週の注目はジャクソンホール。予想される2つのシナリオ
今回のパウエルFRB議長の講演の要旨は以下2点です。
・テーパリングは年内に開始する可能性がある
・利上げは急がない
もうこの2点に尽きます。
まず1点目ですが、デルタ変異株の影響は懸念されるものの、米労働市場は堅調に回復しております。7月以降、失業給付金が失効しつつあることも大きいでしょう。
端的に言いますと、昨年度はコロナの拡大を受けて実体経済に大きな下押し圧力がかかり、これを相殺するためにFRBは資産購入を実施しましたが、もう米経済は立ち直りつつあるのだから、金融緩和は要らないでしょう、ということです。これ以上、金融緩和を継続すると実体経済とかけ離れた資産価格となることでバブルが懸念されるためです。
年内のテーパリング開始は既に市場に充分に織り込まれていたため、市場の反応は限定的となりました。
次の「利上げは急がない」との発言についてですが、これも当然のことです。
そもそも順番としては資産購入額の減額(テーパリング開始)を行って、終了した後に利上げを実施する順番になります。現在、市場ではテーパリング終了時期の意見は割れておりますが、概ね2022年後半に終了するとの意見が多そうです。
そうすると当然、利上げは2023年がメインシナリオとなります。今から1年半以上先の話であり、テーパリングの終了時期さえ目途が立っていない中、「利上げは急がない」と発言したことは至極当然のことと考えます。
あくまでも個人的な意見ですが、もっと市場のボラティリティが高まってほしいと考えているため、今回のジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演は、もちろんこうなることは予想していましたし、その通りの結果となったのですが、もっと方向感と言いますか、激しく動くマーケットになってほしいなと思っております。
今週のマーケット予想について
さて今週の注目の経済指標は以下の2つです。
・31日(火):カンファレンスボード消費者信頼感指数
・3日(金):米雇用統計
まずは31日公表予定のカンファレンスボード消費者信頼感指数ですが、普段ですとあまり注目度は高くないです。
しかし今回は消費者信頼感指数とある通り、国民のマインド調査になります。13日に公表されたミシガン大学消費者マインドが大幅に悪化したことから米金利が大きく低下したことが記憶に新しい中、注目度が高まっているわけです。
このカンファレンスボード消費者信頼感指数については予想対比良好であればドル円上昇、悪化であればドル円下落になると思いますが、3日に米雇用統計が控えている中、大きな相場のドライバーとはならず、せいぜい40銭位の値動きになると考えます。その後は元の水準に戻ってくる可能性が高く、逆張りタイミングの好機かもしれません。
また3日公表予定の米雇用統計の重要性についてはもはや説明不要だと思います。
公表結果が予想対比無難、または良好な結果となった場合は小幅な米金利上昇を受けて、ドル円はやや上昇するでしょう。
一方で注意しなければならないのは、非常に悪い結果が出てきた時です。
そうなった場合はもうテーパリングについて市場が形成したコンセンサスが崩れることで米金利が大きく低下し、ドル円は急落するでしょう。そしてしばらくはその水準から戻ってこない可能性が高そうです。その際は逆張りはせず、素直にショートでエントリーしたいと思います。
今週のドル円見通し
雇用統計が無難または良好な時:109.30から110.50円
雇用統計が悪化した時:108円台まで下落
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高橋勇気