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【美術館巡り】静岡市美術館~西洋絵画の400年~

静岡市美術館にて開催中の『西洋絵画の400年』を観ていきました。
観ていてお気に入りの絵画がいくつかありましたので紹介していきます。
ちなみに下記リンクから商用利用を含めて、画像をDL出来るので他に気になった作品がありましたら、是非是非。

東京都富士美術館ホームページ

絵画には実はヒエラルキーが存在しているのを知っていますか?
今回はそのヒエラルキーに沿って紹介ができればと思います。


絵画のヒエラルキー

歴史画→肖像画→風俗画→風景画→静物画

歴史画(神話、物語、歴史)

時代背景や考察がしっかりしていないと描けない、歴史画はあらゆる教養の集約です。この時代から忠実厨がいたんですね。

アブドロミノに奪われた王冠を返還するアレクサンドロス大王/ベルナルド・ストロッツィ

王冠を返還するにあたって城門の鍵も一緒に返してるのがマンションを引払う感じがと同じでなんか面白いなと思いました。

ダヴィデ王を諫めるナタン/アールト・デ・ヘルダー

部下の妻を寝取った上に、部下を最前線に出して誅殺してしまったダヴィデ王を叱りに来た、神の預言者ナタンを描いた作品。マジでダヴィデが反省していない表情なのが面白いですね。

ハンニバルの生涯 アルプスを越えるハンニバル/クラウディオ・フランチェスコ・ボーモン

漫画ドリフターズに出てくるハンニバルじいさんの若かりし頃を描いた作品ですね。全体的に赤や黒をベースにしている中、ハンニバルのマントを鮮やかなブルーにしているのが、際立ってオシャレな一枚ですよね。

タボル山の戦い/ジャック=フランソワ・スヴェバック

これは実際に観てほしいですね。サイズが115×200.5cmと迫力がありました。

肖像画(王侯貴族~庶民階級)

今で言うところの選挙ポスターですよね。相手にこう思ってほしいという印象を顔画像と共に国民に展開する。
あまり盛り過ぎず、依頼者の意図を汲みとる技術が求められる作品ですね。
確か、村上春樹の小説『騎士団長殺し』も主人公は富豪から肖像画の依頼を受けるところから物語が始まりましたね。金持ちの家には肖像画があるといったアニメはよく見かけますが、この頃からあったんですね。

蒐集家の肖像/ティントレット(ヤコポ・ロブスティ)

全体的に黒テイストの重厚感を持たせる雰囲気と背景のダヴィデとゴリアテの彫刻から教養の高さをアピールしていますね。
顧客からのオーダーは『威厳×教養』といったところでしょうか。

ナント侯アントワーヌ・フランセ伯爵の肖像/ジャック=ルイ・ダヴィッドの工房

この、愚民を見下している表情がめっちゃ好きです。
これを観た国民はどうこの方と接すればいいのか、めちゃくちゃ悩んだと思います。凝った装飾もありますが、私が敬愛しているシャルル・ジ・ブリタニアに若干似てて面白かったです。

ハロルド・ウィルソン夫人/ジョン・シンガー・サージェント

美と知性・気品を内包した佇まいがとても好きです。

風俗画(市民の暮らし)

少年と騎士見習/パオロ・ヴェロネーゼ(パオロ・カリアーリ)と工房

男の子の佇まいがとてもクールですよね。このままイラストにできそう。
実はこの絵は少し3Dになっているんですよ。少年と犬が額からはみ出るように描かれています。

鏡の前の装い/ジュール・ジェーム・ルージュロン

鼻が高く、とても綺麗な顔立ちがとても気に入っています。
当時の流行であるバッスルスタイルのドレスを描いた作品です。この時期の風俗画ではこのドレスが多く描かれていますので。平成初期のPVを観て「うわぁ」と思うように、時代を適切に切り取っているのが印象的です。

背景画(自然と都市)

スフィンクス橋の眺め/ユベール・ロベール

ローマの石橋を遠近に細かく市民の描写を描いてるのが好きです。
「廃墟のロベール」の異名を持つ、ユベール・ロベールの代表作で現実と架空都市を融合させた作品が多いです。私的には橋の中央から垂れ下がっているフックのシルエットが一番濃い黒を使っている芸の細かさが大好きです。

水平線上のスコール/ギュスターヴ・クールベ

私が好きなお酒と小説のデザインにとても似ていて、心惹かれました。


静止画(動かない生命)

静物、バラ/ジョセフ・ロデファー・デキャンプ

これは欲しい。

▼来年の4月に展示をするそうなので是非です。

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