thatの識別②〜形容詞節
2つめは,形容詞節を形成する that です。まず,形容詞の使い方を確認しましょう。
形容詞の使い方は,次の2通りです。
① 補語になる
② 名詞修飾
では,これを前提にして,形容詞節を形成する that を詳しく見ていきましょう。
(2) 形容詞節
上記でも述べたように,形容詞は,補語になる場合と,名詞修飾の2通りがありますが,形容詞節を形成する that は,②の
名詞修飾のみ
です。名詞を修飾する that 節といえば,
関係詞節
でしょう。形容詞節を導く that は,関係詞節だけと考えて大丈夫です。関係詞節には,
関係代名詞と関係副詞
があるので,このどちらかということになります。
関係代名詞は「代名詞」ですから,関係詞自身が節内で S/O/C のどれかになる,すなわち,節内が不完全な形,関係副詞は「副詞」ですから,関係詞自身は節内で文要素にはならない,すなわち,節内が完全な形になるのが特徴です。例を見てみましょう。
さて,少しだけ応用問題です。次の2つの英文の意味を考えてください。
(1) She knows the fact that he is ignorant of.
(2) She knows the fact that he is ignorant.
(1)の that は,関係代名詞です。that 節内を見てみると,前置詞 of の後ろに目的語が欠けているからです。では,どのような意味になるでしょうか。 関係代名詞では,
元の2文を考えること
が大切です。元に戻してみましょう。
She knows the fact. He is ignorant of the fact.
となります。後半の文は,be ignorant of なので「…を知らない」となります。だから,「彼はその事実を知らない」という意味なので,(1)は,
「彼女は彼が知らない事実を知っている」
となります。
では,(2)はどうでしょうか。(2)の that は「同格」です。that 節内を見てみると,he(=S),is(=v),ignorant(=C)と何も欠けていない形だからです。ignorant は「無知だ」という意味なので,(2)は
「彼女は彼が無知だという事実を知っている」
となります。
一見,同じような単語の羅列でも,that の用法を間違えば誤読につながるので注意が必要です。