【英語のなぜを考える】gauge の発音は?
gauge という英単語は,「推し量る,推測する」「測定する」などという意味ですが,発音に戸惑ったことがある人は多いのではないでしょうか。これは,
/géiʤ/
と発音します。
"au" の部分を /ei/ と発音する
とても奇妙な英単語です。一部のアメリカの移民の中には,"gage" と綴る人もいるようです。こっちの方が,スペルと発音が一致していてわかりやすいですね。
実は,このスペルと発音の関係性は,
フランス語の "sauf"
という語を考えると見えてきます。
フランス語の "sauf" は,前置詞として使うと「…を除いて」という意味で,英語の "except" にあたります。また,形容詞もあり,その場合「助かった,無事な」という意味で,英語の "safe" にあたります。 たとえば,
"avoir la vie sauve" で「命拾いする」
(avoir=have,la=the,vie=life)
となります。
この "sauf,sauve" は,
"save" の語源
でもあります。「別扱いする」という意味から「救う」となるわけです。英語の古い言い回しには,"save that" で "except that" の意味があることからも,納得がいきます。
本来は,"sauf","sauve" だったものが使用頻度が高いため, "safe","save" と発音に合わせて綴りが変えられました。
しかし,"gauge" は発音に合わせて綴りは変えられることがなく,そのまま残ってしまったのです。
"gage" と綴る人がいるということは,もしかしたら今後何十年後,何百年後には,"gage" が一般的になる時がくるかもしれません。