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"Christmas" の発音
“Christmas” の発音は /ˈkrɪsməs/ です。 “t” は読みません。いわゆる「黙字」というやつです。これはなぜでしょうか。
元々発音されていたものが,活版印刷の導入などの影響により綴り字が固定化していく中で,脱落後も綴り字に残ったもので,脱落したものの多くは,歴史的に見ると比較的新しく,近代英語期のことです。
『英語の文字・綴り・発音のしくみ』研究社,p.233
上記によれば,この “t” が読まれなくなったのは比較的最近のこと(1500年以降)のことのようです。現代では,以下のような環境になる(子音が3つ連続する)と,真ん中の子音が落ちるそうです。
{s/f}t{l/m/en}
例:castle, Christmas, christen, often, fasten, soften
“often” の “t” が現代でも発音されることがあるのは,昔の名残でしょう。 “listen” の “t” もスペルに合わせて発音するというケースも今ではあるようです。そう考えると,“Christmas” などの “t” も発音するようになるかもしれません。「言語は時代によって変遷する」例のひとつです。英語の綴りと発音の関係は複雑ですが,それはさまざまな要因が絡んでいます。その仕組みを知るのに,上記で引用した本は有用です。