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ハイパーカジュアルについて思うところ

毎日、アプリストアのランキングを眺めるのを日課としていますが、ハイパーカジュアルの勢力が日に日に増しているのを実感します。
ヤバイです。

たまに個人ゲーム開発者同士でハイパーカジュアルについての話題になることもありますが、
「ぐぬぬ…」
みたいになって、みなさんあまり多くを語らない一種のタブーのような感じが漂っているハイパーカジュアル。

ハイパーカジュアルが儲かるという記事に影響を受け目をキラキラさせている個人開発者を見てモヤモヤしている人も多いのでは。

デキる大人であればこういったデリケートゾーンに触れずにソォーっとしておくものですが、残念なことに自分の精神年齢は5歳で止まっているのでハイパーカジュアルについてどう考えているのか蜂の巣をツンツンしていこうと思います。

まず導入として軽めの話題を…


■個人/小規模デベロッパーはハイパーカジュアルに手を出すべきか?

よくある議論として、個人、小規模デベロッパーはハイパーカジュアルを作るべきか否かというものがあります。

ハイパーカジュアルは他のゲームジャンルに比べて成功再現性が高いので実はソシャゲよりもローリスクで売上を確保できる素敵ジャンルです。
ただそれは中、大手から見た時の話。

ハイパーカジュアルは小規模デベロッパーにとって
 ・ハイリスク/ハイリターン
 ・非蓄積型のビジネスモデル
という特徴があるので手を出さない方が賢明なのです。


■ハイリスク/ハイリターンの構造について

広告出稿について意識されている方なら把握されていると思いますが、ハイパーカジュアルは大きく2つの構造に分かれています。
 1、シンプルで洗練されたゲーム(製品)
 2、ダイナミックな広告出稿

「1」は若干難易度が高いのですが、それなりにゲームデザインができる人がゴールをドライに突き詰めていったら割と簡単に達成できるのかなと思っています。

やっかいなのは「2」が必須なことです。
広告出稿をするのに大量のキャッシュが必要になるので、そもそもそのキャッシュに余裕がなければ出稿できません。

また、出稿できてもリクープできるかどうかは別の話。
出稿ノウハウがないまま大量出稿するなんてハンターハンターで例えると念を覚えずに天空競技場の200階に挑むようなものです。

小規模デベロッパーは自力で「2」をすることがほぼ不可能なので、マーケティングが得意なパブリッシャーと協力してリリースするという選択を取ることになります。
そうなると出稿のリスクはパブリッシャーが背負うこになるので
「デベロッパーは安全にリリースできてみんなハッピーやん!」
…と思われるかもしれません。

でも、考えてみてください。
パブリッシャーがリスクを背負うということは、費用対効果が悪いと判断されたら容赦なく出稿がストップされるリスクがあるということです。


■非蓄積型のビジネス構造について

ハイリスク/ハイリターンの議論はよく聞きますが、ハイパーカジュアルの大きな落とし穴として非蓄積型のビジネスモデルになっていることが地味に大きな問題なのかなと個人的には思っています。

一般的なゲームだと人気が出たらその世界観やキャラ、ゲームスキーム等を流用して次回作をりファンを徐々に増やすブランディング戦略が可能です。
もしくは会社(制作チーム)の認知度を上げることでファンを作ることもできます。

一方、ハイパーカジュアルはゲーム性や世界観の性質上非常にブランディングがしにくいジャンルです。
コアなファンが付きにくく、自社が表にでることがないので自社のファンを増やすこともできません。

「ゲーム開発のノウハウが蓄積されるだろ!」
という意見もあると思いますが、VoodooやLion Studiosが外部開発に頼っている所を見るとそのノウハウにはそこまで価値が無いとも言えます。

また、ハイパーカジュアルで一番肝となる出稿ノウハウについてはパブリッシャーが独り占めをしているので、ディベロッパーに残るものは安定性がないお金だけです。
結果、ハイパーカジュアルに依存しすぎると軟弱な業態ができあがってしまうわけです。


■アプリ開発初心者が練習として作るのはどうか?

儲けとか度外視して練習を目的として作るのは無くはないです。
ただし前述した「シンプルで洗練されたゲーム」を作るのは初心者にとってハードルがクソウンコ高いので、よほどセンスがある人でない限り成果が出ないです。
個人開発において重要なのは
「小さい成功体験を積み重ねて大きな成功につなげていくこと」
なので、小さい成功体験を得られないハイパーカジュアルは練習には不向きとも言えます。
(完成しただけでも成功体験やんと言われるかもですが、だったら別のジャンルの方が有意義というね…)

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…短く書くつもりが長くなってしまったので、
続きは次回にでも!
ハイパーカジュアルを作る作らないの話だけなら作らないという判断をすればいいだけの話。
ただそれだけで済まされないのがハイパーカジュアルの奥深い所なんですよね。

【次回予告】
■ハイパーカジュアルが市場にもたらす影響
   ・健全なランキングコントロールで追い詰められる個人開発者
   ・出稿側視点で見るハイパーカジュアルから
    流入したユーザーの質について
   ・アプリ業界のキャッシュフローについて
    誰が割を食っているのか?
■アドネットワーク会社視点で見るハイパーカジュアル
   ・ゴールドラッシュはスコップ屋が一番儲かる
■妬み・嫉み・僻み

この3本立てでお送りします。
お楽しみにー^^


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