美味しい技術の集大成、この冬を乗り切る無水鍋
本当に久しぶりでごめんなさい。お料理の時間が、やっと戻ってきました。長かった…。さて、本日の特に特選とかではない食材はこちら。
料理の好きな方ならそう思いますよね。
なので、今回はちょっとだけ工夫を凝らします。具体的にいうと「スープ」も「出汁」も一切使いません。それどころか、水も使いません。
そういうわけで、この料理はちょっとだけ難度があります。もしかしたら2回くらい失敗してしまう方もおられるかもしれません。それを踏まえても、やってみる価値のある料理だと言い切ります。最重要調理技術が鍋一つにまとまっているので、これを覚えればあなたの作る料理すべてが一段レベルアップすると言っても過言ではないでしょう。
といいますか、これが出来たら
「子持ち鮎を白焼きにして、鮎の色味を損なわないまま骨までホロホロと炊きあげる」みたいなエクストリーム調理に挑み始める準備が整っています。そこまでみなさまになんとしてもワープしていただきたい!そろそろ忘れられている気がしますが、実用書作家なんです、わたし!
この料理は間違いなく「すごく」美味しいです。その上、飲食店でこういった味は滅多に出ません。客単価のエグい一周してきた系のお店で不意に出てきたりはするけど…。客単価がエグいとほら、エグいじゃないですか。
仕上がりはこんな感じ。大根は形をしっかり残しつつホロホロ、白菜は風味と心地よい歯ごたえを残し、鶏肉はしっとりプリっとほのかなピンクに。春菊は最後に入れればいいとして、大根と白菜と鶏は個別調理じゃない? いえ、出来ます。お手軽簡単美味しい晩飯になるから鍋なんですよ。私はそこが大事! 異論は認めます、今度そういうの奢ってください。
正直、スープとかダシとかめんどくない?
散々スープエントリを書いてきて今更ですが。私は結構素直にそう思います。もちろん、スープを楽しむ、ダシを楽しむ、そういうこともある。でも、鍋料理の一番いいところって「一鍋でまとめて作れてめっちゃ楽」ってとこじゃないですか。カレーは昨日逃げ込んだ、今日は鍋だ。ご家族の食事を作っていらっしゃるみなさま、ありますよねこれ。カレーと違って鍋はレシピを変えれば連食出来るのが強みです、ひと冬の半分くらい鍋をやれたら…それで家族も大満足だったら…すごくよくない?
ここで問題になるがやっぱりスープとかダシなんです。顆粒だしでももちろんいいけれど、延々一つの鍋を食べる「鍋料理」の場合、ちょっと力不足を感じてしまう。袋入りのスープはちょいとお値段が張りますし、「鍋でも食うか…」って時にちょうど冷蔵庫で待機しててくれるタイプのキャラクターじゃないんですよね。めんどくせえ。
それでは、ダシもスープも水もなしで、美味しい鍋を作ってみましょう。
ここまで読んで帰る方に申し添えますが、何も考えずやると「加熱してたらいきなり鍋が破砕した」まであり得ますし、なべ底が派手にこげつくと、この料理に好適の素焼き土鍋はかなりつらいことになります。ですから、ぜひとも頑張ってみてください!「こんなやつの指南なんか受けるか、自分でやるね!」そういう人が、私は大好きです。もちろん、道具は大切にするべきです。そして「壊れるのを覚悟で挑む」のは、とても大事な道具の使い方ですよね。「こうすれば美味しくなると思う!」とチャレンジして……となった食材たちが無駄なはずがない、道具も同じですよ。「やばいと思って水を入れた瞬間勢いよく破砕した」とかもあり得ます、ステージギミックを楽しまれてください。
それでは一品目。まずはここから、鶏と白菜漬けのお鍋
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