【日記】2021-04-10:「ドリルを売るには穴を売れ」は分かるけど難しい
■ドリルを売るには穴を売れ
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1年前に導入したSFAシステムの担当者とWebMTGを行った。
ボクの困っていることを解決する方法を提案してもらうことが目的。
こちらの困っていることを導入当初から相談していたが、解決できていなかったのだ。
具体的には、今のシステム設計だと数字の分析がやりにくい、ということ。
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過去の2人の担当者の提案内容は手間が増えるだけで現実的ではなかった。
だから、今回もあまり期待はしていなかった。
ところが「それならやれるかも!」と思える良い提案をしてもらった。
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振り返ると、過去の2人は、ボクの困っていることはすぐに理解してくれた。
でも、そこからすぐに提案につなげようとしていたと思う。
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一方で、いまの担当者は
うちの会社の営業のどの部分が他の多くの会社と違うのか?
最低限、どの数字が管理できれば営業の効率化につながるのか?
を探ろうと、色々と周辺情報まで聞いてこられていた。
これが、今回の素晴らしい提案に繋がったように感じる。
要するに、本当に親身に困りごとを聞いてくれた気がする、ということ。
まさに、ドリルではなく穴を売ろうとしている営業だと感じた。
■Win-Winを考えること
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深圳にある上場企業の総経理(社長)から相談があるから来て欲しいとお願いがあった。
それに応えるため、午後から深圳に向かった。
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出てきたのは総経理には見えない格好の総経理。
デニムにポロシャツ、角刈りのおじさん。
深圳の工場の総経理には、こんな感じのおじさんが多いと思う。
全然お金持ちには見えないのに、車は超高級車に乗っているような。
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ちなみに、総経理室は立派だった。
毛の長い厚めの絨毯、重い立派な扉。
会議室も立派なものだった。
中央に、厚みのあるテーブルが楕円形に並べられていた。
TV会議システムも完備されていて、テーブルの上にはいくつもマイクが置かれていた。
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ボクはどの会社でも会議室に入るとホワイトボードを確認する。
以前の内容が読めるようなホワイトボードの管理をする会社は警戒するのだ。
ただ、この会社のホワイトボードきれいに消されていた。
ペンも色別に整理整頓されていた。
管理が行き届いた会社、という印象を持った。
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話の内容は、うちと戦略的なパートナー関係を築きたい、ということ。
ただ、良く聞けば、うちの商品の販売代理権が欲しいということ。
要するに代理店になりたい、という内容だった。
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正直なところ、この提案を聞いた時にはイラッとした。
通例では、こういう場合は、向こうがうちに来るべきだから。
なんで呼びつけられたんだ?と腹が立ってしまった。
ただ、冷静になれば、先方は上場企業。
こちらは、日本でも中国でも中小企業。
会社の規模で言えば仕方ないか、という気になった。
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ただ、話をしていて感じたのは、この会社の理念がしっかりしている、ということ。
総経理はこんなことを話していた。
中国では自分だけが儲けられれば良い、という考えの会社が多い。
できるだけ安く買い叩いて、できるだけ高く売ってそのさやを抜く会社が多い。
でも、それは自分の考えとは違う。
利益は独り占めするのではなくサプライヤにも還元してみんなでハッピーになりたい。
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もちろん、この言葉をそのまま信じることはできなかった。
これまで何度も「かっこいい言葉」に裏切られているから。
ただ、信用はできなくても不必要に疑うことはしたくない、という思いもある。
だから、まずは1案件をテスト的に進めてみても良いかも知れないと考えた。