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涙の数だけ強くなれる実行回数

 今朝、出勤の支度をしていると、脱ぎ散らかした衣服の中からTaKaRaハイボールがごろんと出てきた。なんと、藪から棒ならぬ衣服から未開封の酒とは!僥倖僥倖、と思っていたのだが、単にだらしなさが露見しただけである。トホホ。
 8月1日は台風により突然の休業、故に、ここぞとばかりに大飲酒。母親に、オラぁ今から酒買ってくるからよ!と、男伊達如く高らかに宣言。そんなことより、災害の対策しろやと、ケツを蹴り上げられたが、そんなこと気にしていけない。
 
〽涙の数だけ強くなれるよ アスファルトに咲く花のように

 と、TOMORROWで岡本真夜が歌っていたように、ケツは蹴り上げられた数ほどに強度を増し、酒は飲んだ数ほど強くなっていくのだ。つまり、何事も数・実行数が肝心であるからして、いづれ訪れる大酩酊を迎える準備をするため、今宵はパリナイパリナイと酒を飲むのである。無論、一人で。
 台風の中で飲む酒は、普段シンとした部屋で飲むより多少の風情が友となる。ゴウゴウと嵐が織りなす音声の中、僕は本や映画を観ることもなく、ただ静かに酒と肴を口にする。まるで、世界が、ソトとウチに分断され、ソトの世界で起きている事象とは関係のない人物になった気分である。例えるなら、フラッと寄った酒場で回りが騒がしい中誰とも話すことなく黙々と酒を飲み続けいつの間にかいなくなっている奴、みたいなものだろうか、グフフのフ、と気持ち悪いことを考えているが、部屋で一人黙々と酒を飲み続けている気が触れた人間が実情である。しかも、こいつもう2L飲んでやがる。 たらふく飲んで満足した後、愛犬を一撫で、犬の毛並みが撫でた手により変化し元に戻るのを確認、寝床へ。本当にどうしようもない奴であったのう、と思いながら常温の僥倖、TaKaRaハイボールを開封し、今宵も床に就くのでしょう。おやすみなさい。

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