ドリー イン/アウト 広角と望遠2
下の続きの記事です。
広角と望遠の応用
広角と望遠の画角を併せ持った撮影技法にドリー イン/アウトと
いう技法があります。
ドリーというのは台車という意味で
台車を使って(それに限らず移動しながら)寄りと引きで撮る
技法になります。
広角と望遠の間を移動する
望遠の低い臨場感と広角の高い臨場感の間を行き来する技法なので
観てる人に訴えかける様な画面になります。
日常的な感覚として例えるなら
遠くの方から来る車(望遠の画角)が徐々に近づいてきて、
目の前で止まる、或いは通り過ぎる(広角の画角)感じでしょうか。
映像によっては弾丸の視覚になって対象に命中するシーンに使われたり
最近だとドローンの視点がそれに該当するでしょうか。
ズーム イン/アウトと比較される
ズーム イン/アウトは固定された位置からレンズの絞りを使って
対象を小さく又は大きく見せる撮影をする技法です。
つまりカメラとの距離が変わらないシーンでは画角は望遠のままなのです。
望遠のままということは臨場感が薄い(変わらない)のです。
つまりドリー イン/アウトと比べると印象が弱いので
普段の撮影はズーム イン/アウトを使って
強調したいシーンにドリー イン/アウトを使うなどして
メリハリを出すなど使い分けることで
作品の文脈の様なモノを演出することが出来ます。
強調されるシーンに気付くと映画の見方が
変わる事がある
今回の記事で一番言いたかったのはここかもしれません。
実は、映像を視聴する人が見たいテーマと
映像を作る人が伝えたいテーマが違うことが良くあります。
一番見せ場のシーンのはずなのにズーム イン/アウトで撮られてて
何気ない一幕にドリー イン/アウトが使われている事があります。
こういう場合、複数のスジがある事を隠して
そのスジに気付くヒントになってたり、
或いは社会的に語ることが許されない秘密等を
映画の中でカミングアウトをしている事などが
読み取れる事があります。
もし映画を観て何か違和感を感じたら
その映像がズーム イン/アウトなのかドリー イン/アウトなのか
疑うことで新しい発見があるかもしれません。
この記事が何かの一助になれば幸いです。
ではでは