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ケルン大聖堂という規格外の世界遺産。
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ケルン大聖堂。初めて見たが、想像以上のスケールだ。4世紀に初代が建築され、戦争の混乱を経て、現在は3代目だという。しかし・・・これほどの大きな建造物を建てたことに驚く。全貌を眺めようとすると、首がバキバキ痛くなる。写真を撮ろうにも、大きすぎて1枚に収めることができない。
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そして細部を見ると、聖母像やステンドグラスが非常に精巧にデザインされていて、この上なく美しい。中に入ったが、来場者の誰もが口をつむぐかのような、その荘厳な空気に圧倒される。
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キリスト教の素地がないため、重要性や歴史的価値を語ることはできないのだけど、ドイツという戦乱の極限を体験してきた国家が、巡礼者達のために、この大聖堂をいかに保存修復してきたか、言葉にできない苦闘を感じる。
1880年に完成祝賀式典を実施したとのことだが、当時の皇帝ヴィルヘルム1世が臨席しているという。大聖堂の重要性がよくわかる。余談だが、僕のトリガーとなる政治家の1人にビスマルクがいる。皇帝に仕えた彼も参列したのだろうか。
彼の巧みな外交戦術のお陰で、ドイツはヨーロッパ、そして共産国ロシアとも上手に渡り合った。しかしヴィルヘルム2世との仲違いにより更迭され、ドイツはパワーバランスを失い、結果的に第一次大戦で敗戦、多額の賠償金を負わされたのだ。政治家の能力がいかに国家の命運を左右するのか、如実にわかる事実だ。
この大聖堂に向かうために、ライン川に架かるホーエンツオレルン橋という鉄道橋を渡った。この橋梁も美しい。ドイツの職人的造形美を感じる。大聖堂と橋梁を1枚の写真に収めた。ため息の出るような美しさである。
街の景観はかくあるべきだ。この橋の高欄に恋人達が南京錠を掛ける風習があり、別れたらその錠を切りに来るという。はて、一緒に来ることはない二人なのに、どうしているのだろうかw
一緒に回ってくれたドイツの方の説明が熱かった。全ての英語を理解できたわけではないが、歴史的背景や大聖堂の重要性をじっくり教えてくれた。その説明を聞きながら、ドイツへの愛情やプライドをひしひしと感じた。
これだよこれ。僕も海外の方が日本に来たら、このようなパッションに溢れたプレゼンをしたい。大聖堂を見た後、フリュー醸造所でケルシュで乾杯w
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