サバゲーマーからドール者へ

20代体力の有り余っていた自分は、グローブ焼けや筋肉痛に悩まされながらサバゲーで野山を駆け回っていた。チームの解体とガスガンの規制etc、元々仲間に装備を借りる程度のライトな趣味だったのもあり(嘘つけとの声も)思い切って全て売り払い、新たな世界へ飛び込んだ。

それがスーパードルフィーである。

初めて見かけたのは、とある漫画家さんのHPだった。プロフィールやギャラリーなどの他に、ドールと書かれたページがあった。開いたところそこには美しい、初めて見る存在がいた。

後に分かったが私に衝撃を与えたそのドールはスーパードルフィー「白鳥(しらとり)」大きな瞳とにっこりと微笑んだ口元、ガレージキットやフィギュアとも違う、とてつもない存在感のドールだった。

漫画家さんはうちの可愛い子見て〜くらいの気持ちで画像を上げていたので、勿論何の説明も無かった為、必死にそのドールのページを漁った。どうやらスーパードルフィーと言う名称の商品であると分かった。早速Yahoo検索すると、ヤフオクが幾つか引っかかる。出てきたページに飛んだところ未だ争われている値段に驚いた。

20万を超えている。他の数点も皆10万クラスで十数人が落札を競っていた。ドン引きしたが、それよりも更に白鳥よりも美しすぎるドールを見つけて夢中だった。「アナイス」「橘四郎」「ミカエル」それぞれのドールの名前を知りすぐに検索していた。ボークスという会社が制作していて全国に天使のすみかと言う店があること。販売は限定的である事。なんと、地元にも天使のすみかがある。

友人に付き合って貰い、早速見に行ったところそこにはヤフオクで高額落札されていた3体のうちの1人、ミカエル(闇の貴公子)がいた。初めて見た感想は「大きい!!」ガレージキットやフィギュアもかつて大きい物を持っていたが、全体的に大きい。人形と言えばリカちゃんやブライスくらいしか知らなかった自分には衝撃的な大きさだった。頭のサイズは幼児用の赤ちゃん人形ほど、すらりとしているが身長はMP5くらいある。

ガスガンを全て手放したのにまた同じようなサイズの、しかも未知のドールを手に入れるのか?と言う迷いは多少あったが、もうこの人形の購入を決めていた。一目惚れの勢いとパワーはすごい。しかし限定商品である彼らはヤフオクで高騰している。何度かオークションにもチャレンジしたが、全く歯が立たなかった。大体、未知の物を数十万でいきなり落札するのは無理がある。及び腰になるのも当然である。(向こう見ずな始め方をせず良かったと今は思う)

取り敢えず、もっとスーパードルフィーを見たい、と思いネットで調べたアフターイベントにも参戦してみた。店頭で新しい、ミシェルや遠夜と言うモデルを見せて貰いました。後者に関しては、なんとアフターイベント後フロアの片隅で開封し、お顔を確認していた方が好意で見せて下さった!

どの界隈でもそうですが、まだ始めていないが興味がある、と言った人間に皆惜しみなく情報や後押しをくれる。この時も見知らぬ私に遠夜を持たせてくれ(何て良い方なのだろう)初めてやっとこのスーパードルフィーの重さを知ったのだった。重い!でも M3程度かな?丁寧にお礼を言い、とても美しく素晴らしいですねと賛辞を言った。周りの方に合わせておめでとうございますとも。

この時は分かっていなかったが、ドールの購入は難しく、貴重な購入の機会を「お迎え」と呼ぶのだった。大変素晴らしい、お祝いすべき出来事なのだ。

そう、限定販売なので抽選で選ばれた人しか購入出来ない。しかし間近に見たスーパードルフィーは本当に美しかった。肌の質感がしっとりしてすら見える。美しい瞳、存在感のある重み。これは絶対に私も手に入れたい。ますます思った。

それにしても、サバゲーもドールも、私は初期の出逢いにとても恵まれ楽しく趣味を始められている。現在もずっと縁が続いている人すらいる。ありがとう。

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