省察研究その23「自分の中に子どもがいる」
【担任の省察】
最近思うことがある。
省察をすることが、直接的に子どもの成長につながったり、子どもの生活が豊かになったりはしないかもしれない。
むしろ省察で変わるのは、教師自身だと思う。対象児やクラスについて、またその子との自分自身の関わりについて考えていくと、新しい問題が自分の中でどんどん生まれてくる。
そして、その問題について悩み、今までの自分では太刀打ちできないと気が付く。その結果、自分が変容していく。
子どもを中心に考えていった結果、自分が子どもによって成長?変容?していく実感がある。そして、自分が変容することが、まわりまわって子どもの変容につながるんだと思う。
毎日共に生活する教師の変容は、子どもに少なからず何か影響を生むはずだ。「こうさせたい」「しなければいけない」の世界ではないところで、生身の自分という媒体を使って子どもから学んだことを、子どもに返す。そして、また子どもから学ぶ。子どもと教師との関係は、サイクルしているのかもしれない。子どもがいるから教師でいられる。
子どもからの影響を受けるという点で、1つ久しぶりに考えたことがある。昔から、自分を作っているのは、これまでに出会った人だと考えてきた。よく食べ物のパッケージに成分表が載っている。タンパク質〇g、脂質〇gみたいに。自分もそれに近い感覚を持っている。これまでに出会ったたくさんの人。○○さんは20%、○○さんは10%、○○さんは5%、○○さんは2%みたいに影響された度合によって%が大きくなるイメージ。
そこに、子どもがどれだけ入っているかちゃんと振り返りたい。自分を作っている要素に、子どもが入っていないなら、子どもとの出会いってなんだったんだろうって不安になる。悲しくなる。今、間違いなく、省察をし始めたことで、3組の子どもたちによって新しい自分が作られている実感がある。自分を作る成分表に、確実に子どもたちが名を連ねている。ちゃんと子どもも自分の人生を作る大事な1人になっているって実感がうれしい。