だーきー

小学校教員7年目。主に高学年を担当。今年で6年生の担任3年連続。 (中学→6年→4年→5年→6年→6年→6年) プロジェクト学習、自己調整学習、キャリア学習を勉強中。 生徒指導主事の経験あり。 20代30代も主任や管理職と一緒に学校を創る。 『省察研究』を投稿中。

だーきー

小学校教員7年目。主に高学年を担当。今年で6年生の担任3年連続。 (中学→6年→4年→5年→6年→6年→6年) プロジェクト学習、自己調整学習、キャリア学習を勉強中。 生徒指導主事の経験あり。 20代30代も主任や管理職と一緒に学校を創る。 『省察研究』を投稿中。

最近の記事

省察研究その23「自分の中に子どもがいる」

【担任の省察】  最近思うことがある。 省察をすることが、直接的に子どもの成長につながったり、子どもの生活が豊かになったりはしないかもしれない。 むしろ省察で変わるのは、教師自身だと思う。対象児やクラスについて、またその子との自分自身の関わりについて考えていくと、新しい問題が自分の中でどんどん生まれてくる。 そして、その問題について悩み、今までの自分では太刀打ちできないと気が付く。その結果、自分が変容していく。 子どもを中心に考えていった結果、自分が子どもによって成長

    • 省察研究その22「無意識ではダメだ」

      【担任の省察】 1つ思い出したエピソードがある。 Hさんが1学期の終業式当日に、体育館入口から廊下に向かってバスケットボールをパスし、蛍光灯を割った事案があった。 その時、Hさんは目に見えてへこんでいた。その日に書いた1学期の振り返りの作文でも、「終業式に蛍光灯を割ってしまって、本当にごめんなさい。よりにもよって終業式に、先生本当にごめんなさい。」と書いてあった。 その時Hさんにかけた言葉が「勉強になったな」だった。 蛍光灯を割ったことを知った時、頭の中に様々な思いや

      • 省察研究その21「できない難しいも学び」

        【出来事】  国語の時間で、「みんなで楽しく過ごすために」という単元。 1年生との交流をするために、班ごとに目的・条件を決め、1人ひとりが主張(遊び)・理由・根拠を持って班での話し合いに臨む。また、班の中で司会・記録・タイムキーパーを決め、それぞれが話し合いでの役割がある。 また、よりよい話し合いにするために、事前に教科書に載っているお手本の話し合いの様子を聞き、話し方や呼び方について確認した。 今回は話し合い2回目で、前回出されたそれぞれの主張に対して、問題点・改善点

        • 省察研究その20「日常の性」

          【出来事】  以前に書いた、Hさんが企画するバスケット教室が開かれた。 クラスをよりよくするために行っている特別活動での企画活動。今回Hさんは、「フリースロー大会」を企画した。 まず全員が一列に並ぶ。男女やバスケ経験(先生)のように区別され定められたそれぞれのラインから、1人2本シュートを打つ。そのうちの1本でも入ればクリア。もう一度列に並びなおし、その後もシュートを打つ機会がある。もし、2本とも外した場合は、隣のコートに行き、HさんOさんYさんの誰かがシュートの仕方を教

          省察研究その19「出会い直し」

          【I先生からの感想を受けて②】  「学び」とは何か。という問いについて自分なりに応えたいと思う。でも、これは割と自分の中で確かなものがすでにある。「学び」とは「出会い」だと思っている。「出会い直し」と言ってもいいかもしれない。目に見えるあらゆる「人」「物」「事」はとても多くの情報をはらんでいる。しかし、一見するだけでは、普通に生活していくだけでは、自分が知っている側面でしかそれを見ることはできない。「○○さんは面白い人だ」「シャインマスカットはおいしい」「夏は暑い」、こういっ

          省察研究その19「出会い直し」

          省察研究その18「性」

          【出来事】 今日、ある子から性に関する告白を受けた。 【担任の省察】  すごい勇気のいることを話してくれた。「教師も子どもから学ぶ」って言葉を痛感している。あの子のこれまでの人生、これからの人生を考えると、自分ってちっぽけだな。 教えられることなんて何もないなと思った。むしろ、あの子の言葉を聞いてから、これまでの自分の教師としての在り方、生き方を反省し、学んでいる自分がいる。  でも、私は教師だから。教え導くことはできなくても、自分のこれからの生き方で、何か道という

          省察研究その18「性」

          省察研究その17「環境整備が正解とは限らない」

          【出来事】図工の授業。 以前描いていた作品(廊下の絵)を描き終え、今は校舎を外から見た絵の制作を行っている。 これまで通り、HさんOさんYさんの3人は一緒の場所で同じものを描いている。廊下の絵を描いていた時は3人で集まっても黙々と作品に向き合っているという印象を受けたが、今は3人でおしゃべりをしながら、ふざけ合いながら作品を描いていた。 【担任の省察】  3人の姿を見た時、おしゃべりせず集中して絵を描くことを強要しなかったんだ。「おいおい、お話するのは楽しくていいけどさ

          省察研究その17「環境整備が正解とは限らない」

          省察研究その16「1人をちゃんと見る」

          【出来事】  総合の時間、Tさんが1人でタブレットを前に、20分以上も何もせずにいるので、「自分たちで決めた目標のために、Tさんができることってなんだろうね。自分で決めることがまず一歩なんじゃない?上手いとか上手くないとかは関係ないんだと思うよ。自分で納得がいくかどうかじゃない?」と声をかけた。 Tさんが自分に自信が持てず、書きたい内容やりたいことがあるのに書けないでいると考えたからだ。しかし、Tさんのその日の日記を読むと担任の考えがいかに的外れなのかわかる。 以下、Tさん

          省察研究その16「1人をちゃんと見る」

          省察研究その15「自分の過去と向き合う」

          【S先生からの感想を受けて】  自分がこれまで書いてきたことが省察になっているのか?モヤモヤが止まらなくなったため、S先生にこれまでの記録を丸投げしてみた。自分が何も考えずに書いたところに、自然とマーカーや赤ペンが入っている。あー、無意識に語っていたこれを、本当は自分自身で客観的に掘り下げていくことが省察なのかもしれない。S先生が今回メンターのような立場で助言をしてくれたことを、1人でやっていくのか。やっぱり省察って難しい。そもそもゴールがないことって、自分に合ってない気がす

          省察研究その15「自分の過去と向き合う」

          省察研究その14「子どもはわかってる」

          【出来事】  体育の授業での出来事。ベースボール型ゲームの単元の学習も終盤となり、試合中心の学習になっている。Hさんは野球が好きだ。お父さんが昔野球の強豪校でエースだったこともあり、バスケットまでとはいかないまでも、プライドがある。  今日は野球を習っている強力バッターのTさんがいるチームとの対戦だった。Hさんのチームは強力なバッターや飛びぬけて守備が得意な子はいないが、チームワークでコツコツ点を積み重ねていくカラーがある。 試合が進んでいくと、最終回の裏の守備(Hさんチ

          省察研究その14「子どもはわかってる」

          省察研究その13「肌感覚で生きる」

          【学年カンファレンスを受けての省察】  M先生のお話してくださったことがとても胸に残っている。こどもたちは、きっと肌感覚というか大人にはわからない第六感のようなものでつながりあっている。子どもだけの世界ってあるんだろうな。これ以上言ったらいけないな、というのがきっとわかるのだろう。 Hさんを見る中で、私が子どもたちに求めていたことって本当に突き詰めていってよいのだろうか。  A先生が、Hさんが本当に毎日幸せそうにしている、と話して下さった。今、Hさんは幸せなんだ。彼やクラ

          省察研究その13「肌感覚で生きる」

          省察研究その12「寄り添う社会科」

          【出来事】今回の社会科の授業は初めて学年の先生たちに参観していただいた。 授業が始まり、先生方が教室に入ってくると教室の雰囲気が変わった。 すぐに、Hさんに目をやると、目をパチパチさせて、肩が上がっている。 今まで見たことない緊張。 当然のように、周りの児童も一様に緊張していた。  そんな緊張の中始まった授業。 今回は「どうして御家人は天皇に味方したのだろう?」という問いを立てた。 Hさんは「幕府への不満が大きくなったから」という予想を持ち、発言をした。Hさんの

          省察研究その12「寄り添う社会科」

          省察研究その11「性格が真反対でも」

          【出来事】  今回も歴史の授業について。 「元寇とはどのような争いだったのだろう?」という問いを立てた。 今回は、できるだけ全員が予想を立てやすいように、視点を争いが起きた理由と結果の2つにしぼった。また、予想を立てる際の手がかりになるように、元国の領地の地図を提示した。  元国の領地を見てHさんはすぐに、「でか!これ全部元の国なの?絶対日本負けるじゃん」とつぶやいた。また、予想を全体で共有する場面では、手を挙げて「元が日本を攻めてきた。元はこんなに大きいんだから、日本

          省察研究その11「性格が真反対でも」

          省察研究その11「担任のエゴ」

          【出来事】 前回に引き続き、今日も歴史の授業での出来事。 「鎌倉幕府が3代目で終わった後、どんなことが起きるだろう?」という問いを立てた後の予想の場面。 Hさんはすぐに隣のYさんに話しかける。 予習をしていたYさんは「北条政子が引き継いだんだよ」と伝える。 Yさんから答え?を聞き、満面の笑み。 グループでの相談の場面、「俺、答え知ってるからさ」と言う。班の友だちから「北条ってだれだよ」と聞かれるが、答えられない。 担任も「どうして、北条政子がここで出てくるの?」と

          省察研究その11「担任のエゴ」

          省察研究その10「考えが出発点」

          【出来事】歴史の授業で新しい単元に入った。 「鎌倉幕府はどうして終わったのだろう?」という単元全体の問いを立てた。 Hさんは前時までの2回の授業を風邪で欠席していたこともあってか、すぐに隣のYさんに考えを聞いていた。 Yさんは今回の単元を予習していたため、「元軍が攻めてくるんだよ」と伝えた。 しかし、Hさんにとって、元軍とはいったい何のことなのか、さっぱりわからなかったよう。 ノートに元軍が攻めてきたから、と書いたが何度もYさんに「え?外国人?中国?」と聞く。 し

          省察研究その10「考えが出発点」

          省察研究その9「牛乳早飲み」

          【出来事】  給食の時間にHさんがいつもYさんと行っている牛乳早飲み対決に誘ってきた。いつもは2人の対決の審判役だったが、この日は一緒に対決に参加した。Hさんに勝って、Yさんに負けた。 【担任の省察】  Hさん、Oさん、Yさんが給食当番になると、「先生用だから」と言って、ご飯やおかずを大盛にしてくる。かわいいなぁ程度にしか思っていなかったが、彼らが対等な関係を求めている姿の現れのような気もする。今回の牛乳対決も、対等に戦いたかったのかな。だから手加減せずちゃんと本気で飲んだ

          省察研究その9「牛乳早飲み」