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講演やプレゼンがうまくなっていく人とそうでない人の違い
主にイベント制作を行う中で、講演やデモ、プレゼンなどについてアドバイスを差し上げる機会があります。そんな中で、ぐんぐんうまくなっていく人とそうでない人がいます。その違い(DMD=違いを生み出す差)はどこにあるのでしょうか?
成長したいという意思
「うまくなりたい」という意思があるかどうか。
なんなら、これに尽きるわけですが、自分でそのモードにならない限り、誰がどんなアドバイスをしても無意味です。
「盗む」
「この見せ方、いいな」や、逆に「わ、スライドめくり早っ!!(まだ、読み切っていないのに)」など、よいこと/悪いこと、他人の講演やデモ、プレゼンを見て盗みましょう。
ただし、自分にものにするには、何度も練習して、さらに本番で実践しないことには身に付きません。そして、いくつも同時にはできない。
モデリング
講演やプレゼンであれば、実際のコンテンツから俯瞰すると、全体の構成や時間割のような〈型〉が見えてきます。
ポーションとしての説明でも「まず、完成形を見せて、それを説明した上で、順を追って説明していく」のような〈型〉を意識していくとよいですよね。
正確な用語かどうかわかりませんが、自分は「モデリング」と呼んでいます。悪い言葉でいうと「パクリ」ですが、型の模倣は大いに行うべきです。
客観視
誰しも自分のことは客観視しづらく、他人のことなら(アラや改善点が)見えます。たとえば、語尾のクセやフィラー(=「えー」などのこと)。指摘されるまで、まったく気づかないのが常です。
実際に伸びている人
たじまちはるさん
講演のたびに、事前にほぼ本番に近いリハを限定公開で行い、フィードバックをもらってブラッシュアップしているようです。講演者の鑑(かがみ)みたいな動きですね。
セミナーではいつも事前に3〜5名の方にご協力いただいて、事前練習します。お礼もご用意しています。
— たじま🍑早く本を執筆しろ (@DesignHumore) November 7, 2022
これは、その練習用のテンプレですね!
(一昨年あたりから使うようになった自作のテンプレです)
#直感を理論で学ぶ配色 pic.twitter.com/ucGH2NFh3E
実際、何度も拝聴していますが、流れはスムーズで、スライドもこなれていて、ほとんど文句のつけようがない仕上がりです。
北沢直樹さん
21-29までの8時間、1人10分の持ち時間で22セッションで構成する #朝までイラレ 、#朝までフォトショ というイベントを(私(鷹野)が)主宰しています。
このシリーズに限り、2週間くらい前に本番に近い事前リハを行っています。“他人のことなら見える”ので、僭越ながら、構成や見せ方、トークなどについて、ヒント程度のフォードバックをお渡ししています。
ほとんどの方は、自分のリハだけ参加されるのですが、北沢さんは、自分以外の方のリハもすべてご覧になっているとのこと。
もちろん、ご本人の鍛錬ありきですが、北沢さんのここ最近の成長度、スゴいんです!
Adobe Illustratorの「生成塗りつぶし(シェイプ)(Beta)」をつかえば、作りたい形にそったイラストを、かんたんに作れます。#PR #AdobeIllustrator @AdobeJapan @creativecloudjp @AdobeExpressJP #AdobeExpressAmbassadors pic.twitter.com/bnmLBKyCT5
— 北沢直樹 / Naoki Kitazawa (@naoki_kitazawa) August 14, 2024
コネクリさん
いわゆる地頭がよく、さらに美的センスもずば抜けている方なのですが、回を追うごとにブラッシュアップされていきます。
ご自身の振り返りを記事になさっているので、読んでみてください。
場の空気感
複数セッションで構成するイベントの場合、次のような要因で想定していたものと異なることがあります。
スクリーンの大きさ
演台の高さ、聞き手との物理的な距離
会場の雰囲気
自分がイベント主催者の場合、いわゆる控室を用意せず、「会場でお過ごしください」とお願いします。控室を用意すると、そこにずっといてしまいます。同じイベントの講演者ですので、話も合いますし。
しかし、「このレベルの話が刺さるんだ」や「今日、笑いを取るのは厳しい」みたいな空気感は、その場にいないとわかりません。
内容的にも「これ、●●さんのセッションでも触れていましたよね」と差し込みと、セッション間のつながりも出てきます。
オンラインセミナーでもまったく同様で、出番までコメントなどを見ながら「場の空気感」をつかめるかどうかは重要です。
ちなみに、通称「プレゼンガチ勢」と呼ばれている講師仲間は、現場でほかの講師の話を聞きながら、どんどん構成などを変更し、スライドにも手を加えています。
自己レビュー
コロナ禍前は年間100本近く、コロナ禍後も年間40-50本近く、セミナーや講演を行っています。毎回、録画して自己レビューを行っています。
なくて七癖… 「“けっこう”ばっかり言っているな」とか、「こういうつもりでやっている身振りが、そうは見えない」からはじまり、「ここに1枚、スライド足したかった」などを思い出してブラッシュアップしています。
「いくつも同時にはできません」ので、亀の歩みですが、さすがに数をこなしているので「差」は生まれているでしょう。
講演やプレゼンをスキルとして学ぶ
アンテナを立ててみると、講演やプレゼンをスキルとして学ぶ機会があります。いわゆるセミナーですね。
いろいろな方のセミナーを受講していますが、「このスキルはあの先生から、このスキルは〜」のように自分の中に残っているものがあります。
現在のイチオシは西脇 資哲さんです。「新エバンジェリスト養成講座」というセミナーを年に4回ほど開催されています。
次回は9月30日(月)です。私(鷹野)も申し込んでいます。
ベンチマーク
実は、この西脇さんのセミナー、ほぼ毎回、累計で20回以上、受講しています。基本的に内容は同じなのですが、次のような理由から何度も受講する価値があると考えています。
自分のレベルが変わると見えてくるものが変わるのでベンチマークとして
「そうそう、これができていない!!!」しばらく、これを課題にしよう!
基本的に同じ内容ですが、細かいところで毎回手が入っていますので、その差異を見つけるのも密かな楽しみです。
オススメの本
『話し方の戦略』という書籍がヤバいです。
ヤバすぎて教えたくないけれど、読んだだけでは自分のものにはならないですし。
『話し方の科学』という題名でもよかったかも…
さいごに
「ここは、こうした方がいい!」と頼まれなくても伝えてきましたが、そもそも「講演がうまくなりたいわけではない人もいるよ」とある人から言われて愕然としました。どうすればよいのか迷っていますが、自分のイベントに出演いただく限り、一緒に成長していきたいと考えています。
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