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プロダクトデザイナーが1年間の育休を取った話

この記事は、弁護士ドットコム Advent Calendar 2024 の6日目の記事です。

また、クラウドサイン デザイナーチームでは、CloudSign Designer 5DAYS と題し、連投企画を行なっています!

プロダクトデザイナーの記事
DAY1 「9年目」SaaSプロダクト デザインチームの現在地
DAY2 無意識に実現するアクセシブルなデザイン
DAY3 デザイントークンで実現するデザインの一貫性と効率化
DAY4 プロダクトデザイナーが1年間の育休を取った話(この記事)
DAY5 新規事業と既存事業どちらも経験して感じた、それぞれの「違い」と「魅力」

コミュニケーションデザインチームも同日連投してますので、合わせて読んでいただけると嬉しいです #DAY1 #DAY2 #DAY3 #DAY4 #DAY5


こんにちは。クラウドサインのプロダクトデザイナーの@swstです。

2023年3月に第二子が生まれました。そこから1年間で2回育休を取得させていただき、復帰して半年以上が経ちました。
その経験を振り返り、2度の育休を取ることになった経緯や、その時の思いについて書いてみたいと思います。

育休1回目

まず1回目の育休は2ヶ月間でした。
1人目の子が生まれた時は、リモートワークだったこともあり、特に育休を取らずともなんとかやれていました。

その経験もあったので、今回も取らない選択肢が一瞬頭をよぎりましたが、2歳差の2人育児はなかなか大変だろうと思ったのと、何よりも子供の成長をじっくりそばで見たいという思いがあり、育休を取ることにしました。

育休期間については、できれば最長の1年間取りたいと思っていました。ただ育児休業給付金は給与満額ではないこと、ほぼリモートワークのため休憩時間には一緒にいられること、などなど踏まえた結果、1人目の経験もあるから1~2ヶ月くらいあれば軌道に乗れるかなという思いで2ヶ月間育休を取得することにしました。

育休2回目

子供達の成長を感じることができた2ヶ月の育休はあっという間に終わり、仕事に復帰しました。
がしかし、復帰したものの、家庭はてんやわんやで手が回らなくなりました。

自分が働いている日中は、妻がワンオペで2人の子の面倒を見ます。
出産直後の妻は体力的にも気力的に厳しい状態で、上の子は当時2歳。物心がつき始め、活発になってきたのもあり、ワンオペで2人の世話をするのは非常に大変な状況でした。

睡眠時間を確保するのがなにより大変でした。夜中のミルク、日中も昼寝をしてくれず休む暇がありません。日に日に寝不足に…。
復帰して1週間、親二人とも疲れ切ってしまいました。
上の子も、父親が仕事というのが理解できず泣き叫ぶなど、仕事をする環境を整えることが想像以上に難しかったです。

このままだと生活がままならないと思い、2回目の育休を取得できないか考え始めました。
恐る恐る当時の上司に相談したところ、
すぐさま「OK!すぐ手続きして育休開始しちゃおう!」と言っていただけました。本当にありがたかったです。
育児の先輩でもある上司からは、育児に対する心構えや家族としての関わり方など仕事を超えた話や、ポジティブな声かけもしていただきました。
結果として、1歳になるまでフルで育休を取得することにしました。

その後、人事や労務、情シスの方たちと連携を取らせていただきました。
育休に入るためには多くの手続きが必要でしたが、すぐさま準備してくださり、こちらからの申請については抜け漏れがないようMTGで会話しながらチェックしてくださいました。
そのおかげでなんと翌日の夕方には手続きを終え、2回目の育休に入ることができました。

復帰してすぐまた育休に入ることに後ろめたさを感じていましたが、上司や関係者の方々はむしろ背中を押してくださり、前向きになることができました。
復帰したばかりにもかかわらず、手続きや諸々の調整を迅速かつ柔軟に対応してくださった当時の上司や関係者の方々には感謝しかありません。
爆速かつ柔軟に対応してもらえるこの会社に入社して良かったと改めて思いました。

育休中

育休に入ってからは育児に全集中でした。
家事や育児の分担は特に決めず、できる人ができるタイミングでできることをしてました。
ただ、根詰めすぎると苦しくなってしまうので、できない時は割り切って、頑張り過ぎないように気をつけました。

復帰が近づいてきた頃には少し余裕が出てきたので、会社のIRを読んだり、デザイン系の記事を読んだりするようになりました。
パソコンにはあまり触れていなかったのですが、少しずつ仕事に関連することにも意識が向くようになりました。

育休中、特に苦戦したこと

お互いに起こしあうから全員寝不足
下の子が眠りにつこうとすると、上の子が大声を出し始めて下の子が起きる。
逆に上の子が眠りにつこうすると、下の子が泣いて上の子が起きる。そんな起こしあい合戦が勃発。
ぜんぜん眠れず寝不足の日々が続きました。
この時期は、妻と交代で寝るようにしてなんとか乗り越えました。

数ヶ月経った頃にはお互いに慣れたのか、子供たち2人でくっついて寝たり、それぞれ騒いでも我関せずで寝たりしてくれるようになりました。

子供と昼夜問わずずっと一緒に過ごせたのは、とても楽しい時間でした。

家事の時間を取れない
親が2人揃っている時はまだなんとかなりますが、ワンオペの時は、ほぼ家事の時間が取れません。
昼寝をしてくれれば良いのですが、ぜんぜん寝てくれず、ケンカしたり、抱っこをせがまれたりとなかなか時間が取れませんでした。
そんな時は家事を諦めて、子供と遊ぶことにしていました。
子供の笑顔がたくさん見れて良かったです。

風邪をうつしあう、親にもうつる
1人が風邪をひくと、ほぼ確実にもう1人にもうつり、結局2人とも体調不良になります。
そして親にもうつり、家族全員で体調を崩しがちでした。
家族全体で風邪をひいてしまうので治るまで長引きました。

そんな中、上の子(娘)が何日も高熱を出した時に、朝から夜中まで1日中ずっとそばについて看病したことがあります。
それ以来、ことあるごとに「お父ちゃんがいい!」というようになり、お父さん子になりました。(これは最高に嬉しい!)
固い絆が生まれたみたいです。

育児で助けてもらってるアプリ

ぴよログ
育児の様々な記録がつけられるアプリです。
睡眠時間や、いつミルクを飲んだか、いつうんちしたかなど細かく記録して家族間で共有できるので重宝してました。
身長・体重も入れられるので、成長記録としても活用しています。

ぴよログのアプリアイコンの画像

タイムツリー
予防接種や検診、その他諸々の予定はすべてタイムツリーに入れていました。
このアプリも家族間で共有できるので助かっています。

タイムツリーのアプリアイコンの画像

復帰して

復帰のタイミングで部署異動もあり、新しい部署には知っている人は何人かいましたが、会社のミッションビジョンも変わり、浦島太郎状態、むしろ新入社員の気持ちで復帰を迎えました 笑

デザインチームでは新しく参画した人へのサポートが手厚く、手取り足取り教えてもらえたので、スムーズに仲間入りすることができました。
また、毎日朝会があり、他のメンバーがどんな仕事をしてどんな悩みがあるのかなどを知れるので、プロダクトやメンバーのことについてキャッチアップもしやすかったです。

デザインツールは育休前と変わらずFigmaだったので安心しました。
他部署の方も交えて議論するオンラインホワイトボードは、MiroからFigjamに移行してました。
Figjamのほうが動作が軽く、Figmaとの互換性も高いので、移行されて良かったです。

復帰後に変わった働き方

子供の世話があるため残業がしづらくなりました。強制終了することも多いです。突発的に離席することも増えたので、作業がキリのいいところで中断できません。
そのため、以前よりも柔軟にかつ効率性を意識するようになりました。

作業メモやログを細かく残すようになった

キリのいいところで中断できないため、離席から戻ってきた時はたいてい作業内容を思い出すところからスタートしています。いろいろなタスクを並行で進めていることもあり、思い出す時間がもったいないですし、思い出す作業だけでも脳のリソースを使ってしまいます。

そこで、FigjamやSlackにメモやログを残すようにしました。(メモに残せないくらい急ぎの離席もありますが)
これによって、すぐにタスクに戻れるようになり、時間と脳のリソースの消耗を減らすことができました。

Figjamでの日々の作業メモの画像
Figjamで日々の作業メモと、関連事項を矢印で繋いでログとして残すことで、過去の経緯も追いやすくなった

家族間でスケジュールを共有するようになった

プライベートなことや重要なイベント事は、アプリのタイムツリーで共有しています。通知もしてくれるので、日々の予定はこれで把握できています。

毎日の仕事の予定は、ホワイトボードで共有しています。
妻とそのボードを見て、昼ごはんの時間や、夕飯の準備を始めるタイミングなどのあたりをつけるようにしています。
ホワイトボードだと遠くからでも一日のスケジュールがパッと見でわかり、予定変更もすぐに反映できるので、アナログならではの良さを再認識しています。

ホワイトボードが設置されたキッチンの画像
目につきやすく、家事中でもすぐ見れるように、ホワイトボードはキッチンに設置(キッチンは掃除しました 笑)

割り切れるようになった

最後は精神論のような話ですが、やりたいことが思うようにできなくても焦らないようになりました。
時間的にも体力的にも限界はあるので、変に焦って自分を追い詰めるのではなく、むしろその状況を楽しむようにしています。

育児とデザインのつながり

育児をする中で、育児とデザインは似てる部分があるというか、育児が仕事につながってるなと感じることがあります。

例えば、子供と話す時は、わかりやすい表現でないとまったく理解してもらえません。横文字や専門用語はもちろん伝わらず、かと言って丁寧に話そうとして長い説明になってしまうと飽きられてしまいます。

また、子供は「なんで?なんで?なんで?」とず〜っと深掘りして聞いてきます 笑
物事そのものや周辺のこともしっかり理解していないと答えられないですし、暗黙知になっているようなものは言語化も難しかったりします。

当たり前に思っていて深く考えてこなかったことに対しても「なぜこうなっているのか」を改めて考えたり調べたり、もし子供に説明するとしたらどんな言葉だと伝わるだろうと普段から考えるようになりました。
難しい横文字もむやみに多用しなくなりました 笑

これらは、初めて使うユーザーや慣れていないユーザーにも正しく情報を伝えられる言葉・UIの表現になっているのか、簡潔に迷わせることなくゴールへ導けるようになっているのか、本当に知りたいと思っていることはなんなのか、などなどサービスのUIUXを高めるための良い訓練になっていると感じています。

終わりに

育休を取得して本当に良かったです。
初めて声を出して笑った瞬間、初めて座った瞬間、そして初めて自分の抱っこで寝てくれた瞬間など、たくさんの「初めて」を目の当たりにすることができました。
上の子も、下の子をあやすようになったり嫌々ながらも物を譲る場面が増えたりと、心の成長も感じることができました。
子供2人の成長を間近で見ることができたのは、なによりも幸せな時間でした。
有給休暇を取るだけでは得られない体験を、育休を通じて得ることができたと感じています。

とあるデータによると、父親が我が子と一緒に過ごせる時間はわずか3年4ヶ月とも言われているほど短いそうです。
だからこそ、少しでも長く一緒に過ごせたのは本当に貴重でした。

弊社では男性で育休を取るのは珍しくなく、周囲の理解も高かったのもとてもありがたいです。

復帰して半年以上が経ち、感じることとしては、残業がしづらくなったり、中途半端なところで強制終了したりはありますが、それ以外では思った以上に普段どおりに働けています。
それも、裁量労働やリモートワークといった柔軟な働き方を整えてくれている会社、様々な面でサポートしてくださる上司やチームメンバー、そして家族の支えあってのことだと思っています。

改めて、仕事と育児の両立がしやすい環境に感謝しています。

今後、育児で困難を迎え仕事に影響が出ることもあるかもしれませんが、解決方法を一緒に考えてくれる会社、上司、チームメンバーがいるので不安は感じていません。
これからも、周囲のサポートに感謝しつつ、試行錯誤しながら仕事と育児の両立を、そして育児で得た経験や考え方をUIUXデザインにも活かせるよう頑張っていければと思います。


We are hiring!🫶

クラウドサインでは、一緒に働くデザイナーを募集しています。
ぜひ私たちと、まだないやり方で世界を前に動かしていきましょう!
少しでも興味が湧いた方は、ぜひお声がけください。

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明日のAdvent CalendarはYokogoshiさんの記事です!お楽しみに!


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