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滝本弁護士が分析する衆議院議員選挙 全体情勢と日本共産党の状況
-2024年10月27日の衆議院議員選挙-性自認主義が確実に票を減らしている 2024.10.30 滝本太郎
議席の変化と得票率の変化
議席の上では、前回の2021年10月31日の衆議院議員選挙と比較し、自民と公明が大きく減らし、立憲、国民、れいわが大きく増やしたところに特徴がありますね。自民が減らしたのは、統一教会との関係清算の問題、そしてパーティ券収入の一部を裏金化したことが暴露されたことに拠りましょう。
なお、立憲が大きく議席を伸ばしましたが、小選挙区制が基本だからです。比例区での得票率は、20.00%から21.20%に増加した程度なのです。
立憲民主と国民民主
立憲との比較において、国民民主党の得票率が4.51%から11.32%に倍増以上となったことが注目されます。2つの政党の違いは、国民民主党が自民党に近いこと、2023年6月の大幅に修正して成立した理解増進法に賛成したが、立憲民主党は(共産、れいわ、社民ともども)、明らかに性自認主義にたってもいる強烈な差別解消法の制定こそが必要だ、として反対したところにあります。
右派系の2つの政党
さらに、日本保守党が比例区の得票率2.103%、参政党が3.43%をとり、いずれも3議席を確保したことに注目します。いずれも、差別解消法どころか、理解増進法の制定も性自認主義を進めるものとして、これを制定した自民党らを右側から批判していた政党です。
そして私は、共産が大きく減らしたことに注目します。
すなわち、日本共産党の比例で見る得票率は、前回の7.25%から、今回は6.16%に落ちています。先の自民党の統一教会との関係問題と、裏金問題につき様々な暴露をし、先進的に尽くしてきたのにこの有り様でした。
それも、その立候補者数を、前回は野党共闘のために抑制して計130人(小選挙区105人、比例40人で、重複15人を引く)だったを、今回は計236人(小選挙区213人、比例35人で、重複12人を引く)とし、選挙カーも大きく増やして「比例は共産党へ」と大運動をしたのに、大きく減らした有り様でした。
考えられる原因
考えられる原因としては、この間、言語矛盾の民主集中制という組織原則からする問題が改めて露呈したことから立憲やれいわ新選組に票が流れたことがありましょうが、同党が性自認至上主義にいまだ立っていると明言していることも影響していると思われます。
しかも綱領にまで「今後、法的にも、男性器を備えたままの性自認女性という存在が認められるということも想定されます。」として陰茎あるままの法的女性も可と明記しています。その女子トイレ利用についても、「ジェンダー・アイデンティティー=性自認という個人の尊厳の問題や、女性専用スペースの利用のルールをどうしていくのかということと、犯罪目的のために女性を偽装して侵入してくるということは、まったく別の次元の話」として逃げつつ、候補者らは、トランス女性の女子トイレの利用を否定せず、むしろ公認するとしてしまっているのです。
参考2022年参議院選挙にて
https://note.com/sws_jp/n/n9c2620615b52
国民審査の結果もあわせ考える
今、裁判所に対しては、2023.10.25特例法の生殖能力喪失要件の違憲判断からして、性自認主義の色彩が強くなってきたことへの強い批判があります。それは衆院選と同時に行われた最高裁裁判官の国民審査で34年ぶりに✖︎の平均が10%を超えたこと、関与した尾島明裁判官は✖︎が11.00%、今崎幸彦裁判官(長官)は✖︎が11.46%と他の4人よりも明らかに高い数値となったことから明確ではないでしょうか。
当会は、下記に記録したように、この2人に✖️をの運動をしてきました。
https://note.com/sws_jp/n/n087451d520a7
日本共産党は、そんな性自認主義の先頭に立ってしまっており、これまで支持してきた固い女性票のうちから、それなりの数が離れたのではないでしょうか。
このことについては、それまで日本共産党を熱心に活動・支持してきた、その党員や従来からの女性支持者の中から、厳しく批判する声がずっと上がってきています。
以下、比例での5つの政党の数値 (1票以下は切り捨て)から検討します。その比較こそが、これら政党の正しい支持率を示すと思われます。
2024年10月27日の出典
2021年10月31日 の出典 https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/data/shugiin49/index.html
●日本共産党 比例区での増減 -803,110票
2024年10月27日 3,362,966票 得票率は6.16%
2021年10月31日 4,166,076票 得票率は7.25%
●立憲民主党 比例区での増減 +72,127票
2024年10月27日 11,564,221票 得票率は21.20%
2021年10月31日 11,492,094票 得票率は20.00%
●国民民主党 比例区での増減 +3,579,038票
2024年10月27日 6,172,434票 得票率は11.32%
2021年10月31日 2,593,396票 得票率は4.51%
●れいわ新選組 比例区での増減 +1,589,412
2024年10月27日 3,805,060票 得票率は6.98%
2021年10月31日 2,215,648票 得票率は3.86%
●社会民主党 比例区での増減 -83,990票
2024年10月27日 934,598票 得票率は1.71%
2021年10月31日 1,018,588票 得票率は1.77%
以 上
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