前提として知っておきたい6つのこと。
2024.7.21
最近、女性スペースについての関心が格段に広がってきています。広島高裁で7月10日、手術しなくても特例法の法的女性になれることがあると判断されたことや、女装して女性スペースに入ってきた事件が新聞報道されるようになってきたからでしょう。
このことを検討するために、前提として知っておいて欲しいことを以下に書きました。どうぞ、ご一読ください。
〈その1〉 「男性」「女性」の定義は、現行法にはありません。年齢は、「年齢計算ニ関スル法律」(明治三十五年法律第五十号)で「年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス」と書いてあって、数え年ではなく満年齢で数えるとされています。ですから、日本では「自らの認識による年齢」はあり得ない、いうこととなります。
戸籍法113条により「性別の訂正」がされることがありました。それは性分化疾患により出生時の性別の判断の誤りが稀にあったからです。このことからすると生得的な性別をもって男女の区別とするというのが法の姿勢です。実に当たり前のことですが。でも性別の定義はありません。
〈その2〉 公衆トイレや客用トイレにつき、建築基準法や大規模小売店舗に関する法律で「女子トイレを作れ」とは書いてません。公衆トイレは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の第5条6項の「市町村は、必要と認める場所に、公衆便所及び公衆用ごみ容器を設け、これを衛生的に維持管理しなければならない。」に基づいて作られますが、女子トイレを作れと書いてはいないのです。
〈その3〉 労働法分野や学校設計指針でトイレを男女別で作れとありますが、男性が女性トイレに入れないとは書いてません。当たり前すぎたからではありますが「国民的な常識」ではあっても、当然の法規範にはなっていないのです。
男性が女子トイレに入れば、刑法130条建造物侵入罪として検挙・処罰されることがあります。性犯罪の被害届出をもらえない時に、トイレの管理者からの被害届出で「正当な理由がないのに入った」として、検挙されるのです。排泄のためだけに入った場合には、弁護人は「正当な理由」で入ったのだ、と争うと思われます。
〈その4〉 「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」(特例法)で法的女性となった人は、女子トイレや女湯に入れることになります。その4条で「法律に別段の定めがある場合を除き、その性別につき他の性別に変わったものとみなす。」とあるのですから。しかし「法的女性」となる範囲が拡がるならば、特例法の制定時に予定していなかったのですから、他の法益を守るため、広がった範囲につき「別段の法律」を制定して対応することが、もちろん可能なはずです。
〈その5〉 現在は、共同浴場についてさえ、2023.6.23の厚労省通達の「男女の区別は身体的特徴による」などとあるだけです。この通達はいわゆるLGBT理解増進法の制定施行に伴い、陰茎があるまま女湯に入れると誤解されてはいけないことから、それまでの単なる「回答通知」よりも、国の姿勢として1段階上げたものです。
そして、2024.7.10広島高裁の決定では、特例法の外観要件は維持するが、男性から女性の場合も、すべて手術しなければならないというものではないという判断が出ました。高裁の判断ですが判例になるので、一部ではあっても「陰茎ある法的女性もあり」となりました。
また、パスポートでは「女性」となっている陰茎ある外国人は既に来日しています。パスポートで「女性」とあれば発行国がそのように扱って下さいとしている趣旨であり、これに対抗するには法律が必要となります。通達は、法律より3段階も下で政令、省令(規則)より下の、裁判所の判断が出るまでの行政当局の考え、といったものでしかないのです。既に東京の銭湯で、陰茎のある米国人「女性」が女湯に入り警察が呼ばれましたが、検挙なしで終わってしまいました。
共同浴場についてさえ、しっかりとした法律が必要なのです。
〈その6〉 「女子トイレ」については、この共同浴場についてのもののような「通達」さえも、未だありません。
結局のところ、女性の安心安全を確保するためには、大規模なところは女子トイレを作らなければならないとすること、女子トイレについてはもちろん、共同浴場についても、法律で女性スペースには「陰茎のある人は入れない」と定める必要があります。
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