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わいせつ・女性を侮辱する数々のツイートをする人は館内の女子トイレ使うべきではない 経産省等は改めての措置を
2024.10.10 弁護士 滝本太郎
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経産省トイレ訴訟というのがありました。性同一性障害の診断があるが性別適合手術をしていない生得的男性の、職場の女子トイレ利用の問題です。
3つの判決文は下記にあります。
2015.5.29 人事院の措置―勤務フロアーとその上下の女子トイレは使用不可等々
2015.11頃 提訴(弁護士4名) 措置の取り消しと1652万円余りの国家賠償請求
2019.12.12 東京地裁判決-トイレ利用につき人事院に勝訴、国賠につき132万円の勝訴
2021.5.27 東京高裁判決―トイレ利用につき逆転敗訴、国賠につき11万円のみ勝訴
2023.7.11 最高裁判決―トイレ利用につき人事院に勝訴、なお国賠はそれに先立ち高裁のままとなった。
特定人の特定トイレにつき利用できることがある、という判例になりました。今は、代理人だった女性弁護士らはこれをひっさげて各所で講演し、「トランス女性は女性だ、女子トイレの利用公認を」運動にとって、それなりに影響ある一歩として使われています。
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しかし、下記の状況です。
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第1に、このたび、上記報道にあるように、本人は、それら女子トイレは引き続き利用できていません。
第2に、本人は、低劣なXポストをし続けてきたのですが、これが職場で広く知られてしまったようです。低劣なXポストとは、ここに添付のPDFや、女性スペ-スを守る会の下記noteの末尾にある通りです。
第3に、本人は、Xポストで、裁判の費用には何百万円もかかり、自分は運動団体などから支援はないからきつい、と言っていました。本人としてその意義があったか疑問な状態です。
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第1のことは、最高裁で勝訴した内容が「義務付け訴訟」でないことと、第2でも関係するひどい内容の本人のXポストによると思われます。
「訴訟内容」とは、要するに、原告につき「利用許諾を義務づける訴訟ではなく、当該人事院の措置を消すだけだったということです。その場合は、裁判所で許されないとした場合とは、別の理由、事情の変化などがあれば、別の手続で対処することは可能になります。
すでに、経産省は、記者の質問に対して、当該女子トイレの利用を引き続き許諾していないことを認めつつ、①ユニバーサルトイレの設置も進め、2023年には全フロアでの設置を完了した、②LGBTの理解増進に関する様々な取組―職員の理解を進めていくとしています。別の事情または事情変更を言おうとしていると見られます。
さて、地裁判決の主文1項は、「1 人事院が平成27年5月29日付けでした国家公務員法(昭和22年法律第120号)第86条の規定に基づく原告による勤務条件に関する行政措置の各要求に対する平成25年第9号事案に係る判定のうち原告が女性トイレを使用するためには性同一性障害者である旨を女性職員に告知して理解を求める必要があるとの経済産業省当局による条件を撤廃し、原告に職場の女性トイレを自由に使用させることとの要求を認めないとした部分を取り消す。」というものです。
これを高裁判決が主文1項で、「1 一審被告の控訴に基づき,原判決を次のとおり変更する。一審原告の第1事件に係る請求をいずれも棄却する。」として逆転させたのです。
そして、最高裁判決の主文1項は「「1 原判決中、人事院がした判定のうちトイレの使用に係る部分の取消請求に関する部分を破棄し、同部分につき被上告人の控訴を棄却する。」としたのです。
すなわち、訴訟・最高裁判決の内容は、高裁が人事院側を勝たせた「トイレの使用に係る部分の取消請求に関する部分」を破棄して、人事院の措置を取り消しただけであり、「利用させよ」という「義務付け」をしたのではないのです。
もちろん、事情が同じなのに同じ措置が続くなどあってはならないのですが、経産省・人事院側は、事情が異なってきた場合には、引き続き拒否できるとするものなのです。このことは、下記の「2024-09-25 経産省トランスジェンダートイレ制限の継続は司法の軽視?取消訴訟の反復禁止効に抵触しない事情?」にも記載されています。
https://www.jijitsu.net/entry/keisanshou-transgender-toilet-torikeshi
そして、その事情と思われるのが、次に述べるところです。
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第2そして第1にも関係する事情です。本人の酷いXポストと、それが知られてしまったと思われるという問題です。
まず、原告は、2015年3月から「わきまえないトランスジェンダー霞が関にゃんにゃんOL」として、Xポストを開設しました。当職が知ったのは2021年頃かと記憶しますが、ひどいものでした。とくに、2021.5.27の高裁判決で逆転して原告側が敗訴した後は、ますます酷い内容になってきていたと記憶します。もう最高裁で逆転することもあり得ないと考えて、自由のままに記載していると感じました。男性が書き込むものとしても、まさに低劣な部類に入る書き込みです。
裁判記録から見ると、原告は1997年頃に性同一性障害の診断を受け、2007年頃から私的時間は女性として生活しているとし、2009.7.24、上司に、次の異動から女性職員として仕事したい、女性装で登庁し、女子トイレ・更衣室を利用したいと申し出た。その後いろいろと面談し、近い将来に性別適合手術を受けるとも説明した。2011.5.19に家裁で名前の変更審判が出ています。そして2013.12.27付で人事院に対し措置請求を出し、「トイレの使用」も明記して請求にしたのが2014.3.7付です。なお、原告は皮膚アレルギーのため性別適合手術は受けていないものです。
そして、本件人事院の措置が2015.5.29付。原告の「わきまえないトランスジェンダー霞が関にゃんにゃんOL」の開設は2015年3月ですから、措置請求をしている間に開設したことになります。
この原告のXポストは、職場に広く知られなかったのでしょうが、2023.7.11の最高裁判決の頃には、先に紹介の女性スペースを守る会の声明を示したnoteの公開が同月13日ですし、Xポスト上も話題になりましたから、そこに低劣かつ猥褻な記載があることなどが、広く経産省職員にも知られたのではないかと思われます。
なお、この酷いXポストは、地裁、高裁では被告国側から証拠として出ていない模様です。地裁、高裁判決ともに一切その様子がうかがわれないからです。そして高裁判決である2021.5.27の後の最高裁の段階では、この事実関係についての証拠は出せません。
ですから、人事院の措置の時点で、原告がこのXポストに見られるような性的な傾向をもっている人物であることは、職場にも人事院にとんと知られていなかったと見られます。これは事情の変更でしょうし、これを知った女性職員らが、到底女子トイレに受け入れらないと明言すれば、大きな事情の変化でしょう。
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実は、当職は、経産省あてに2022年10月4日、様々な本人のXポスト資料を添付しつつ、職員の品位を落としているとして処分を求める上申書を郵送提出しました。数日後には到達しています。このPDFを添付し、また本文を末尾に示します。
この人は、それまで経産省職員だとして、猥褻・低劣なXポストをするだけでなく、私が事務局を務める「女性スペースを守る会」についても、代表が誰々だとか固有名詞や写真を示してXポストし、女性らに対する加害性を隠しもしない有様でした。
当職は、この人に対してXポストの中で、あまりに低劣で酷いよ、やめなよ、代理人の弁護士は止めないのですか、など繰り返し書いたのですが、やむことがなく、それで経産省に上申しました。これに対して何らかの処分があったかは分かりません。ただ、その後1-2か月は酷い書き込みは減っていたので、私は指導なり厳重注意でもあったのかな、と思った記憶があります。
最高裁判所にはこの情報を提供していません。裁判外の者からの文書など容易に影響しないものでしょうし、既に事実審は終えていたからです。
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その後、遅くとも2023年7月11日の最高裁の判決が報道された頃には、経産省の職員の多くが色々と調べてこれらXポストを知ったでしょう。女性スペースを守る会が、この最高裁判決についての声明を発し、そのnoteでこれら猥褻な記載があることとともに公開したのは7月13日でしたから、それで知った人もいましょう。
職員が知ったかどうかについては、この2024.10.5このようなXポストもありました。
経産省に男女の友達が 何人かいるけど裁判前 女友達は例の人の存在 は知っていて少し抵抗 はあるが自分に無関係 と思っていて男友達は 存在すら知らなかった 裁判後炎上する中で 例の人のポスト内容を 職員の多くが共有して しまったそう(´・ω・`) 共有後の彼らの感想は 言わずもがなであった
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この猥褻かつ低劣な投稿は、裁判所が認定した事実関係の認識と評価を疑わせるものでした。
人事院の措置を取り消し、建物内のすべての女子トイレの利用を認めた最高裁判決は、その本文に次の通りの記載があるのです。これらが判断の前提になっているのです。
「上告人は、――性衝動に基づく性暴力の可能性は低い旨の医師の診断も受けている。――また、本件説明会においては、上告人が本件執務階の女性トイレを使用することについて、担当職員から数名の女性職員が違和感を抱いているように見えたにとどまり、明確に異を唱える職員がいたことはうかがわれない。――遅くとも本件判定時においては、上告人が本件庁舎内の女性トイレを自由に使用することについて、トラブルが生ずることは想定し難く、特段の配慮をすべき他の職員の存在が確認されてもいなかったのであり、上告人に対し、本件処遇による上記のような不利益を甘受させるだけの具体的な事情は見当たらなかったというべきである。」と。
★ この最高裁判決の趣旨から、いま判明した状況を検討してみましょう。
原告が「性衝動に基づく性暴力の可能性は低い」という医師の診断に重きを置くことはもはやできないし、「明確に異を唱える職員」が今、各施設にいることは容易に推測されます。「本件庁舎内の女性トイレを自由に使用することについて、トラブルが生ずる」可能性も大きいという外ないと考えられます。
原告とその代理人団は、最高裁判決から1年を優に過ぎたのに、利用させよという義務付けの請求や訴訟、その後も利用できないことの国家賠償請求訴訟を起こしていません。それは、今後は勝ち目がないからと判断したからではないか、とも思えます。
少なくとも、最高裁判決があるにもかかわらず利用できていない、その不当性を記者会見などで公表しなかったことは、実に不思議です。
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私は、この際、経産省・人事院は、改めて同職員に対し、今回、経産省建物内のすべての女子トイレの利用を制限するという措置をこそ下すのが適正だと考えます。
これは想像ですが、原告は地裁判決で「平成6年度国家公務員採用〈2〉種試験(■■)に合格」となっており、その表彰状からも50代で、65歳が定年と思われますから、経産省・人事院は、このままズルズルと対応していこうと考えたのかもしれません。
しかし、人事院と国と経産省の名誉のために、そして「特定人の特定トイレについては、性同一性障害ある身体的な男性かつ法的男性のままに利用できる」という判例を作られてしまった日本国政府として、この場合には、しっかりと経産省建物内のすべての女子トイレの利用を制限するという措置をこそ、改めて下すのが適正だと考えます。
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「女子トイレの利用公認を」運動について。
意外なことに、TOTOの2018年アンケートからすると、市井のトランス女性にあっては、男子トイレの利用を希望する人こそが大きいものです。下記のnoteに報告されてします。すなわち、合計100%の円グラフで換算すれば、女子トイレの利用者は9.2%、利用希望者は14.1%にとどまる一方で、男子トイレの利用者は41.5%、利用希望者は36.7%なのです。
本件訴訟は、この傾向とは違って、本人の女子トイレを利用したいという希望に基づく訴訟で、「トランス女性の女子トイレの利用公認を」運動の一環でした。そして、特定人の特定トイレについての利用が認められることがあるという判例となってしまいました。
しかし、当該職員は多額の費用をかけても希望する女子トイレを使えないままですし、類似する事案で同様の要請がある場合には本人の様々な性的な傾向がしっかりと把握されなければならない、職場の女性らの意向を十二分に確認しなればならない、ということが明白になりました。
今回の事案から見ても、それは当たり前だと思います。
今、性自認主義をすすめようとする代理人弁護士らはこれをひっさげて各所で講演し、「トランス女性は女性だ、女子トイレの利用公認を」運動の材料としていますが、この事案の実態と実際の職場の対応こそが、広く知られるべきだと確信します。
判例の独り歩きを許してはなりません。
上 申 書
令和4年(2022年)10月4日
経済産業省 大臣 西 村 康 稔 殿
弁 護 士 滝 本 太 郎
朝夕は秋めいてきたところですが、御省にあっては、法令にのっとり諸政策を執行、立案などして頂きありがとうございます。
さて、当職は、この4月には、自由民主党の「性的マイノリティに関する特命委員会」でのヒヤリングを受けるなどしてきた団体「女性スペースを守る会ーLGBT法案における『性自認』に対し慎重な議論を求める会ー」の事務局をしている弁護士です。その活動の一端は、下記のホームページ及び同封の小冊子で分かる処です。
このことに関連して、当職はこの間、御省職員のうちいわゆる「経産省トイレ裁判」事件(東京地裁令和3年5月27日判決、東京高裁令和3年5月27日判決、現在は最高裁に係属中)の原告(上告人)として当事者である者が、裁判係属中であることを、明示しつつ「2015年3月から「わきまえないトランスジェンダー霞が関にゃんにゃんOL」として、ツイートしています。」とするツイッターを開設していること知りました(資料①)。
そして、その中では、誰しも見るに堪えない猥褻図画がしばしば記載されていること(資料②~⑥、⑨)を知りました。
同人あてには、国家公務員ならずとも酷く猥褻であり適切でないこと、他のトランス女性ら性的少数者のためには不利益な書き込みであることなどの指摘がありましたが、「全く反省していませんWW」(資料⑦)であり、同時に更に猥褻な図画を書き込みつづけています(資料⑨、⑪)。更に、批判した女性ら一般に対する、セクシャルハラスメントと言う外ない書き込みをしています(資料⑭、⑮など)
このことは、広く国民に知られつつあり(資料⑰~⑳)、同人の「職員は常識人」などと記載するとあいまち(資料㉑~㉓)、御省の信用性・信頼性を著しく害する事態となっています。
よって、同人には国家公務員法第82条所定の「三 国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合」に該当する行為をしていると言う外ありません。
ここに、御省のためにこそ、同人につき早急に調査、告知と聴聞の機会を与えた上で、免職、停職、減給又は戒告の処分といった、然るべき処分をされるよう、上申します。
以 上
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