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連絡会が「XY女性と、トランス女性の女子スポーツ選手権参加に関する声明」を出しました2024.10.15
―女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会 当会も入っている連絡会では、「女性スポーツに関する法律案」も提起しています。
パリパラリンピックでは生得的男性が女子スポーツへの参加を許されてしまい、またオリンピックの女子ボクシングに性分化疾患のXY染色体とみられる人が参加し、論議を呼びました。
連絡会では、継続して性分化疾患についても学んできており、その成果が女子スポーツに関する法律案第3案になります。性分化疾患、特に「XY女性」については、女子スポーツの歴史を鑑みる必要がある一方で、また本人らは生得的女性として成長してきた人権の問題でもあるので、極めて困難な問題です。
性分化疾患によるXY女性の課題は、生得的男性であるトランス女性の問題とは全く別であるという知識の普及が、まず大切だと感じます。そのうえで、公平性・安全の観点からは競技の種類と内容を考慮しての対処が必要だろうと思えます。
大きな問題として、トランス女性の女子スポーツ選手権への参加資格を獲得するために、性分化疾患のXY女性を利用したり、そもそも性別はグラデーションだという偽りを説明するために性分化疾患が使われているという酷い状況があります。
性分化疾患の人は、性別違和なども持たないのにトランスジェンダーと同様の課題だとしてしまうのは、暴論であると考えます。
以上の問題を議論し、連絡会はこちらの声明を出すこととなりました。各所でご参考にして下さいませ。
XY女性と、トランス女性の女子スポーツ選手権参加に関する声明
2024年10月15日
女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会
当連絡会は「女子スポーツに関する法律案」を提案しているところ、この8月、パリオリンピックの女子ボクシング競技において、性分化疾患が疑われるとされる女子選手2名に関して論議があり、X(旧Twitter)などで「男性だ」とする記載もあるなどしたことを契機に議論を重ね、また8月28日からのパリパラリンピックにおいて、生得的男性であるトランス女性が女子の部に参加したことを契機として、次のとおりの声明を発します。
声 明 の 趣 旨
第1 性分化疾患XY女性は、生得的女性ですから、それを否定する「男だ」といった表現での批判はその人権を侵害するものであり、どなたもしないでください。
第2 性分化疾患XY女性の女子スポーツ選手権の参加資格について、競技の特質との関係を考慮せずに、それぞれの種目別、大会レベルの違いを考慮することなく、一律に議論することはしないでください。
第3 各スポーツ団体は、XY女性の女子スポーツ選手権の参加資格について、各種目の特徴と大会の種別に従い、早急に統一的な方針を定めてください。
第4 トランスジェンダリズム(性自認によって性別は定められる、トランス女性は生得的男性そのままであっても、どこでも女性として遇せよ)という主張する活動家や論者・大学教授は、性分化疾患を利用して生物学的性別(セックス)にもグラデーションがあるなどという偽りを述べないでください。このことを広く国民はご理解ください。
まして、活動家や論者・大学教授は、性分化疾患の患者の子どもの裸体や性器の標本写真を使用する人権侵害行為はやめられたい。
第5 各スポーツ団体は、トランス女性(女性と認識するとする生得的男性)の女子スポーツ選手権への参加資格は、性分化疾患XY女性の場合と異なって生得的男性についての課題であるから、女子スポーツ選手権の参加資格を認めないと明記してください。
声 明 の 理 由
1 当会は、「女子スポーツに関する法律案」を提案しています。
https://note.com/sws_jp/n/n52559495ca02#939D3BB9-9385-45C4-8025-640E0C693489
そこでは、「生物学的」ではなく第2案で「生得的男性」、第3案で「生得的女性」という表現を使っています。これはXY染色体だが生得的女性の人がいることに留意し、たとえ財政支出や後援の面であっても、国の法律でその参加資格を定めるべきではないと考え、ともすれば染色体のみで性別が定まると考える人が多く、それが「生物学的性別」とされてきたことの配慮によります。
すなわち、生物学的性別は、原則として染色体により定まるが、XY染色体でありながらも、胎児の初期に男性ホルモンの放出・受容がないなどから生得的に女性として生まれ、性器なども性分化前の原則である女性様であり、月経が始まらないとしても、女性に育つ人がいます(以下「XY女性」といいます。)。私たちも性分化疾患は勉強中でありその多くはほとんど門外漢ですが、その方らは当然に女性であることが科学的真実です。彼女らが生得的女性の一員であることを決して忘れてはならず、これを否定する言辞は、本人に大きな心理的苦痛を与える人権侵害にあたると考えます。
よって、声明の趣旨第1に記載の通り、それを否定する「男だ」といった表現での批判は、どなたもしないでください。
2 性分化疾患のXY女性は、トランス女性とは異なる「生得的女性」ですから、その対応の問題は、当連絡会の課題ではありません。
そして、XY女性もスポーツに参加する権利を認められるべきは当然です。ただ、そのごく一部が第2次性徴を境に、男性ホルモンが有効に放出・受容されて身体的に優位に立った生得的女性となることは確かなようです。
そのために、連絡会では、医学的知見、女子スポーツの歴史を学びつつ、女子スポーツの発展を目指し公平性、安全性を図る方法はどこにあるのかもなども議論されています。
その際、一方で「女子スポーツ」は、男性に比較して身長、体格、筋肉などで劣位にあるからこそ別の競技としてとして成立したものであること、しかし「染色体XX女性スポーツ」ではなく、すべての生得的女性が本来は参加できるはずの「女子スポーツ」としていること、とはいえ女性のトップアスリートで入賞するほとんどが「染色体XY女性」となってしまえばその発展が望めず、時には安全性を害する可能性もあること、もとより競技種目により大きく異なることが、論点となります。
実際、公平性・安全性は、陸上、水泳、格闘技、球技、団体球技、体操、新体操などなどスポーツ種目によって大いに異なりましょうし、同じ徒競走でもその影響は距離によって異なりましょう。また、同じ女子スポーツ選手権でもどのレベルから検査せよというかなど、各人の考えは大きく異なるものとなりましょう。
結局、XY女性のうち競技において優位性を持つ女性選手の参加資格については、各種の国際競技団体、国内競技団体での科学的根拠に基づいた調整がはかる外なかろうとは思われます。また当連絡会では、このことについての意見は、あくまで、各人としての意見であり連絡会として統一的な意思決定などしないことを確認しました。
よって、声明の趣旨第2に記載のとおり、どなた様もXY女性の女子スポーツ選手権の参加資格について、各種目の特質に応じた細かい検討などせずに一律に考えるなどしないようにしてくだされたく考えます。
そして、声明の趣旨第3に記載のとおり、XY女性の女子スポーツ選手権の参加資格について、各競技団体に求めるものです。
3 今、大きな問題があります。性分化疾患が、性自認至上主義の理論的根拠として偽って利用され続けてきたことです。具体的には、性分化疾患の人もいるから身体性別もグラデーションであり、生物学的性別など存在しない証拠だという主張です。
その説明のために、性分化疾患の患者の子どもの裸体や性器の標本写真が、活動家や大学教授によって使用されるという、実に許しがたき人権侵害さえもあります。
そして、性別は社会的構築物であると考える外はない、性自認だけが唯一の指標である、「トランス女性は女性だ、だから女子トイレの利用公認、女子スポーツの参加資格を」などと主張されています。
よって、当連絡会は、声明の趣旨第4に記載の通り求めます。
4 8月28日から開催されたパリのパラリンピックには、視覚障害のある女子ランニング競技にイタリアから50歳代の生得的男性が出場し準決勝にまで進みました。女子スポーツの公平性が、性自認主義をとる国の国内競技ではなく、国際大会であるパラリンピックで明白に侵害されました。
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これは、米国女子大学水泳選手権において、生得的男性しかも陰茎などまで残している人が参加し優勝しつづけたことを契機として、国際水連が2022年6月、世界陸連が2023年3月に定めた「幾分とも男性としての思春期を経験した者の参加資格はない」とした考えと異なった対応であり、いかにパラリンピックであっても許されてよいことではありません。
今、女子スポーツは、生得的男性であるトランス女性の参加を認める大会が、性自認至上主義が先行した国から始まり、各種競技で広がってきました。このようなことでは公平性が害され、女子スポーツ選手権が崩壊します。競技によっては安全性を著しく害します。
これは、当連絡会が提案している「女子スポーツに関する法律案」の制定を待つことなく、各競技団体においてこそ早期に明確にすべき解決です。
よって、各競技団体に対し、声明の趣旨第5に記載のとおり求めます。
以 上
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