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性自認主義について、充実した3つの本
性自認主義について、充実した3つの本をご紹介します。どんな意見の方も、性自認にまつわる問題について考えるなら、以下3冊は必須だと思います。性自認主義論者の方は、これらに反論する必要があるでしょう。
書店に放火するという脅迫まであった『トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇』(2024年4月3日発行)に続く3つの良書です。
これからの性自認主義運動は「差別だ、出版に反対するな」という姿勢から、一切無視して話題にならないようにすると思われます。彼らが「討論は拒絶」の方針をとっている(by清水晶子東大英文学教授)のは、議論が始まれば性自認主義がトンデモ思想だと分かってしまうからでしょう。真摯に議論する姿勢がないのは本当におかしなことだと思います。
そのような状況を打破するためにも、この3冊が広く読まれることを願います。
その1 斉藤佳苗氏の『LGBT問題を考える―基礎知識から海外情勢まで』は、最近の状況を医師の立場から丁寧に描いており、資料的価値も大きいです。
―鹿砦社、2024/8/24、352ページ、2970円
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その2 「マテリアル・ガールズ:フェミニズムにとって現実はなぜ重要か」キャスリン・ストックは、問題の根本から説いており、実に明解です。
―慶應義塾大学出版会 、2024/9/18、384ページ、3960円
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その3 「情況8月号」は、様々な意見の方が書いており、この問題の論議状況が分かります。
―情況出版、2024/8/28、296ページ、1500円
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その1は、女性医師がLGBT問題に徹底的に切り込んでいます。資料的価値も大きい一冊です。第1の基礎知識編は読みやすく、第2部の深掘り編は、ジェンダー理論の歴史から、ジェンダー肯定医療をめぐる医療スキャンダル、イギリスとドイツの比較まで。イギリスのターフ・ウォーズの記録は非常に興味深いです。
その2の著者であるキャスリン・ストック氏は、2021年に性自認主義を批判するこの本を出し、なんとイギリスの大学を追われてしまいました。「ジェンダーアイデンティティ理論」の思想的背景を、ボーヴォワール、ジュディス・バトラーなどを振り返りながら、丁寧に説明しています。さらに、女性専用スペース、医療、政治、データ収集など、さまざまな文脈において、生物学的性別の重要性を提示しています。解説は武蔵大学の千田有紀教授です。性自認主義にはまっている日本のフェミニズム学者の中で、性自認主義を疑問視した文章を書きバッシングされてきましたが、女性のために粘り強く奮闘してくださっています。とてもわかりやすく充実した一冊です。
その3の、『情況』に論稿を寄せているのは、下記の方々です。③、④、⑤、⑦あたりが特に貴重かと思われます。性自認主義がいかに論拠のないトンデモ思想か分かるでしょう。
①特集によせて トランスジェンダーの権利擁護と、開かれた議論のために 塩野谷恭輔
②「焚書」のレトリックに踊らされないために 『トランスジェンダーになりたい少女たち』宣伝手法の問題について ベンジャミン・クリッツァー
③リベラルとトランスジェンダー 斎藤貴男
④トランスジェンダーの「沼」 岩波明
⑤トランスジェンダリズムとは何なのか? 白井聡
⑥[書面インタビュー]笙野頼子 女消しに抗して、世界権力に異議を
⑦自由に対する左からの脅威 アビゲイル・シュライアー本をめぐる諸問題 森田成也
⑧成立から二十一年、「GID特例法」の今 三橋順子
⑨LGBTの非存在について 安冨歩
⑩インタビュー よだかれん トランスジェンダー当事者の可視化で広げる人々の理解
⑪ポストモダンとトランスジェンダー 小谷野敦
⑫[鼎談]子ども向けのLGBT入門絵本から読み解く日本の性的マイノリティ運動の歩み 前田和男×尾辻かな子×沢辺均
⑬学問の危機と『キャンセル』の方法論 千田有紀
⑭身体改変的性別越境主義について 「性別」破壊論・序章 阿部智恵
⑮在りたい私、私が決める メタバースとトランスジェンダー 蘭茶みすみ
⑯なぜジェンダー・クリティカルはペドフィリアと連帯しないのか? 谷口一平
⑰トランスヘイトの自由こそ基本的人権である 佐藤悟志
⑱ジェンダーを越境するために 萌え絵とアパレルから 横山茂彦
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