(24)女子高生が同級生に将棋の駒の動かし方を教えたら、半年後に近畿3位になった話
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※記憶に基づいた実話だが、個人情報特定を避けてストーリーに影響がないところは改変するかもしれない。
※正確には8ヶ月後である。
8ヶ月後なう
1999年11月6日(土)、午後。
いよいよ、近畿大会(近畿高校総合文化祭将棋部門)が始まった。
男子個人戦の選手権戦、A級、B級、男子団体戦、女子個人戦、女子団体戦と行われる。
この年は個人戦、予選は2勝通過、2敗失格形式だったと思う。
自分で言うのもなんだが優勝候補だった私はさくさくと2連勝して通過を決めた。
8人で行われる2日目の決勝トーナメントに進出した。
女子団体戦はやはり7校が参加。3校と4校に分かれて総当たりリーグ戦が行われ、上位2校ずつ計4校が2日目の決勝トーナメントに進出する。
通過できたらいいねとは言っていたが、4校のほうのリーグ戦に入ってしまったこともあって、2日目はまた観光かなと思っていた。
しかも。
Bが熱を出した。
これが2020年であれば棄権だが、幸か不幸か1999年。
熱を出したまま、対局した。
初めの2戦、1勝1敗だった。発熱中のBは連敗だったので、Cが連勝してEが1勝1敗だったということだろう。
ちなみに団体戦としてはD高校史上通算2勝目である。
しかも今回は普通に勝った。(普通とは)
3戦目は確か相手も1勝1敗で、ほぼ勝ったほうが決勝トーナメントに進出する対局になった。
そのときは私も対局していたらしく、女子団体戦は見ていない。
対局後に私が会場内に突っ立っていたら、BがCとEに抱えられながら近づいてきた。
何かうめいていて、これはやばいと思った。
が。
うめき声ではなかった。
「勝った~~~ 勝った~~~~~」と言っている。
Cが「よくがんばったー!」と言っている。
私たちの前では無口だったEはただ微笑んでいる。
1-1で残った対局でBが勝ったらしい。
つまり。
2勝1敗で予選2位。決勝トーナメント進出。
うおーよくがんばった!!
と言って頭をなでたつもりだが、たぶん興奮でたたいてた。病人の頭を。
決勝トーナメント進出ということは準決勝進出で、3位決定戦はないので、3位以上が確定した。
この物語最大のハイライトのはずだが、実際の将棋を見ていないし、うめいていると思ったときの恐怖が最も記憶に残っている。
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