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(3)女子高生が同級生に将棋の駒の動かし方を教えたら、半年後に近畿3位になった話
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※記憶に基づいた実話だが、個人情報特定を避けてストーリーに影響がないところは改変するかもしれない。
※正確には8ヶ月後である。
2ヶ月後なう
5月。いよいよ京都府予選の日。
高校3年、最後の夏に向けて、我々4人は戦場に向かった。
……というほどのものではない。
会場に行って受付して、形だけ将棋を指せればいいのだ。
会場には多くの子供達がいた。この大会は本来、高校生の部・中学生の部・小学生の部に分かれた将棋大会で、それと高校選手権の府予選、中学選抜の府予選を兼ねていた。
小学生は何の予選も兼ねていなかった単独の大会だったと思う。
高校生から小学生の男子がとにかく大勢いる中で、中学生女子が1人か2人かいて、高校生女子が4~5人いるのがこの大会の見慣れた風景だ。
我々4人が会場に着くと、高校生女子が数人いた。
………既に数人いた。
我々を除いても、数人いた。
さらに。
同じ制服を着たグループがいる。
嫌な予感しかしない。
つまり。
同じことを考えた高校が、もう1校あった。
1999年の高校選手権京都府予選、参加人数。
女子個人戦(代表枠3)→4人
女子団体戦(代表枠1)→2校
まさかの、高校選手権京都府予選史上初の、女子団体戦開催決定である。
ついでに、女子個人戦も初めて代表枠以上の申し込みがあり、形ばかりではないまじめな代表選考が実施されることになった。
~~おまけ話~~
前年、高校2年生だった私は1学年上に高校選手権(全国大会)女子個人戦で2連覇している方が京都にいることを知り、その人と指してみたいという理由で予選に出場してみた。
女子個人戦は代表枠3で、エントリーが5人、うち3人がM高校の女子団体戦メンバーなので、あなたも全国大会だよ、と言われて驚いた。
そのときに将棋部に属していないと全国大会に出られないと言われ、将棋部に入った。
高校が高文連に属していないと高校選手権には出られないので、全国の将棋大好き中学生は高校選びに気をつけよう!
夏、その方は3連覇し、女流プロの公式戦にも出場して勝ったはず。
どさくさに紛れて私も準々決勝まで勝ち進んだ。棒銀と矢倉囲いだけを知っていた、当時自称3級(推定5~6級)。
~~以上おまけ話~~
私のことはどうでもいい。4人中3人が全国大会に行けるし、内2人は前年に女子団体戦で全国大会に行ったM高校の2年生。
実力はわかっていたから(2枚落ち上手でも勝てる)、反則さえしなければ優勝できるはず。
問題は女子団体戦の3人だ。
会場で形だけ将棋を指せばいいとだけ思っていたので、四間飛車と美濃囲い、そして△8五歩と突かれたら▲7七角と上がること(及び、△8六歩と突かれたら▲同歩と取ること)しか教えていなかった。
まあ一応、対局は何度かしたと思うが、駒を動かしていただけで、きちんと詰ませて終局した記憶はあまりない。
詰みという概念は教えたらしい。(←これが後に、まさかのドラマを生む)
そんなことで勝負になるのか。
絶体絶命の大ピンチ。
と思ったら。
相手チームも同じような感じで、「学校からのお金で旅行に行けるぞ」と顧問が声をかけて集めた1年生女子3人。
4月から将棋を始めたらしい。
ただいまゴールデンウイーク明け。
よし。
こっちは3月からだぞ!
1ヶ月早いぞ!
どうにかなるかもしれないぞ!
なんとか気持ちを持ち直し、素人対ど素人の運命の3人制団体戦、一発勝負が幕を開けた。
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