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(11)女子高生が同級生に将棋の駒の動かし方を教えたら、半年後に近畿3位になった話

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※記憶に基づいた実話だが、個人情報特定を避けてストーリーに影響がないところは改変するかもしれない。

※正確には8ヶ月後である。

4ヶ月後なう

私たちが通っていたD高校は土曜日も午前中だけ授業がある代わりに、7月の初めに期末試験が終わり、7月10日頃から実質的な夏休みが始まっていた。(終業式は20日頃)

その期間に1回、4人で関西将棋会館道場に行くことにした。

対外試合の練習である。

全国大会メンバーの1年生Eは都合がつかなかったのか、それとも連絡先がわからずに誘わなかったのか、A・B・Cの京都府予選に出た3人と私の4人で行った。

土日は混みすぎるし、料金が上がるので平日にした。

さて当日。無事到着。

何かがおかしい。

全然、指している人がいない。

私は土日しか行ったことがなかったので平日の客入りを全く知らなかった。
後年、大学4年生から道場のアルバイトをするようになって知ったが、土日は1日の来場者が200人以上あり、ほとんど満席で、級位者でも平手の対局がどんどんつくような状況。
平日は1日の来場者が数十人だった。
多くが開店時や夕方に行われるトーナメント目当て。昼間は道場内に10人くらいしかいないこともあった。有段者しかいないこともある。

そんなところに突然来場した、3級ひとりと連れの女子3人。

受付の方(後年バイトに入ったときに先輩になった方)が困惑していた。

「皆さんはスワさんと指すときはどんな感じですか?」

「6枚落ちで、ほとんど上手が勝ちます」

「えーっと………、皆さん同士で当ててもいい? そうじゃないとすごく待つことになるけど………」

その日はほかに級位者が1人か2人しかおらず、ほぼ3人と私の総当たりをして終わった。

……行った意味、なかった。

(12に続くと思う)

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