特別展 生誕270年 長沢芦雪 後期
先月見に行った長沢芦雪ですが、前後期で9割が入れ替えと聞いていましたので後期展を見に行きました。メインとなる大型の屏風や襖絵など殆どが入れ替わっていました。
ちなみに前回の記事はこちらです。↓
閉幕が迫っているためか、前回見に行った時よりも混雑していました。入口の写真を撮影して、「消しゴムマジック」で写り込んでいた人を消したところ、「芦雪」の文字がおかしなことになっています。↓
前期は和歌山の無量寺の龍図襖と虎図襖でしたが、後期は島根県の西光寺の龍図襖(八面)が展示されており、右の四面には稲妻を背負ったかっこいい龍が、左の四面にはちょっと変わった形の龍の全身が。かっこいいだけでは終わらせない、芦雪の茶目っ気のようなものが見えて面白かったです。
逸翁美術館さん所蔵の「降雪狗児図」(上の写真はその作品の一部からとっています)はワンコちゃんが本当に可愛らしくて、普通は黒地に白い何かを描く時には白い用紙を黒く塗り、白い物体の部分だけは塗らずに白く抜いておくわけですが、この降雪狗児図は白いワンコちゃんの部分は白っぽい絵の具を塗り重ねて毛のモコモコした愛らしさを表現しています。これは割と珍しい描き方だと思います。
これは背景が金色の屏風ですが、ワンちゃんたちが本当に可愛くて、特にお腹を上にして引っ繰り返った子にイタズラしようと狙っている左側の子の目つきを見てください。右隻にも、この子を狙っている子がもう一匹描かれていて、この後3匹でじゃれ合ったのかな、なんてことまで想像させる作品でした。
芦雪は変わり者だったとか、偏屈で嫌われていたとか、最期は殺されたんじゃないかとか、いろいろ言われていますが南紀で恐らく住人の人たちに頼まれて揮毫したであろうサッと描いた作品たちの明るい作風、仔犬や猿などの生き物たちへの優しい視線を感じ、本当は陽気で楽しいことの大好きな、優しい人だったんじゃないかなと(前回も同じように思ったが)つくづく感じました。
後期展の最後の作品は、ポスターやフライヤーにも使われている「牛図」でした。画面からはみ出しそうな瞳のクリクリした牛です。そして、この作品の周りには芦雪が亡くなってから同門の絵師が描いたという花が描かれているのです。それにしても、この牛、好奇心旺盛な瞳でこちらを覗き込んでいるかのようです。
あまりにもワンコ柄が可愛くて、キャンディポーチをお土産に買ってしまいました。お出かけの時のアメちゃん入れとして愛用したいと思います。
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