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TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション

大阪中之島美術館へ行き「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」を見ました。先月まで東京国立近代美術館で行われていたものです。

TRIOとは、パリ市立近代美術館(MAM)、東京国立近代美術館(MOMAT)、そして大阪中之島美術館(NAKKA)というモダンアートを扱う3つの都市の近代美術館のことで、この3館のコレクションの中から共通点のある3作品を並べて展示するという、ちょっと今までにはなかったテーマの展覧会です。
大阪中之島美術館は来年2月に開館3周年を迎え、開館した時の特別展でコレクション勢ぞろいで見せてくれたのですが、佐伯祐三やモディリアーニ、マグリットなどの名作が一気に見られる機会となっています(NAKKAはコレクションルームがないですもんね~)。

佐伯祐三 《郵便配達夫》
NAKKA
ロベール・ドローネー 《鏡台の前の裸婦(読書する女性)》
MAM
安井曽太郎 《金蓉》
MOMAT

上のトリオが展覧会の最初に見られるトリオで、「コレクションのはじまり」というテーマで「座るひと」を描いた作品を並べています。それぞれの美術館の初期の頃に入手したコレクションからのもので、開館の契機となったコレクションであったり、最初の購入品だったりするものです。
NAKKAの佐伯祐三は、特別展「佐伯祐三」以来でしょうか。まさに大阪中之島美術館を象徴するような作品と思います。

3つの都市パリ、東京、大阪それぞれを描いた作品のトリオや、都市の人々を描いたトリオ、都市を撮影した写真作品トリオ、横たわる女性を描いたトリオなどなど、テーマ自体が面白く、それぞれの美術館からチョイスされた作品を並べて比較して見るという初めての経験を楽しむことができました。

ラウル・デュフィ 《電気の精》より
MAM

デュフィの電気の精は「近代都市のアレゴリー」というテーマで古賀春江の《海》、池田遙邨《戦後の大阪》と並んでいたものです。これは元々は大きな壁画で、展示されていたものは10分の1に縮小して制作されたものです。

電気の精より

電気の精の一部分に↑ 風神雷神みたいな雲に乗った神様?なのかな?が描かれていて、これを見た瞬間、先日京都の京セラ美術館で見た村上隆の洛中洛外図を思い出しました。

藤田嗣治(レオナール・フジタ)《五人の裸婦》
MOMAT

「美の女神たち」のトリオでは、上のフジタの作品とジャン・メッツァンジェ《青い鳥》MAM、マリー・ローランサン《プリンセス達》NAKKA、が並んでいました。

奈良美智 《In the Box》
MOMAT

奈良美智や草間彌生の作品もMOMATから出ていました。ほとんどの作品が写真撮影可能になっていました(一部ダメなものもあるので注意)が、フラッシュを使って撮影していた方がいて監視員の方から注意されていていました。絵画に用いられている絵の具などの色を長く保たせるため、強い光を当てることは控えなければなりません。今、作品を楽しんでいる私たちだけではなく、この先何百年も先の方々も鑑賞を楽しめるように大事にしたいものですね(これを読んでいる方は、ご存知のことだとは思いますが)。

5階展示室で「塩田千春」もやっていて、こちらは別の日に見に行く予定です。今日はTRIOで頭をたくさん使いすぎてもう一つ見るのは無理でした。

2025年度の大阪中之島美術館の展覧会のラインナップが発表になっています。

大カプコン展にはびっくりですが、新しい取り組みを見せてくれるNAKKAらしいといえばNAKKAらしいような気もします。

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綾小路
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