
大和の美
奈良県立美術館の特別展「大和の美~古都を彩った絵師たちの競演」を見に行きました。奈良県立美術館は、近鉄奈良駅から歩いて10分ほどの場所にあり奈良公園や興福寺、奈良国立博物館などからも近くて便利な場所にあります。奈良県庁や、バスターミナルなどのある一角に位置しています。

今回の特別展は、奈良にゆかりの絵師、画家の作品を集めて見せてくれる展覧会で、古代ヤマトと呼ばれていた頃を彷彿とさせるものから、中世の社寺関係の絵画作品、近世、近現代と時代を分けて作品が分類されていました。
最初の展示室は古代・ヤマトの美ということで、高松塚古墳の壁画(玄武)の模写に始まって、法隆寺金堂壁画の摸本、正倉院御物絵巻などが展示されていました。

明治時代(20世紀)頃
法隆寺金堂の壁画は明治期に摸本が作られたのですが、昭和24年の火災で壁画は焼損し、どのような壁画だったのかは摸本を見るしかなくなってしまいました。そして、この火災が文化財保護法制定のきっかけになったそうです。形あるものはいつか壊れるとは言いますが、こうした文化財をできるだけ長く残していきたいものですね。

江戸時代(19世紀)
こちらは近世のコーナーにあり、鹿が描かれた作品がいくつか並んでいました。

江戸時代(19世紀)
ほとんどの作品がガラスケースの中に展示されていて、撮影可能なものも照明や自分自身が映り込んだりして、あまり綺麗に撮影できませんでした。
こちらの堀川其流は、その一つ上の屏風の内藤の弟子だったそうです。五百疋鹿、千疋鹿を得意としたと解説に書かれているのでそういう様式があったのでしょうね。

明治43年(1910)
こちらの大村長府は没後100年ということで特集コーナーができていて、大和郡山市出身の洋画家だそうです。上京して本多錦吉郎(兵庫県立美術館にある羽衣天女の方ですね)に学んだそうで、奈良の洋画の黎明期を作った方ということでした。
洋画家なのに掛け軸?って思うかもしれませんが、実はこちらの軸は油彩画です。軸装された油彩画が何枚か展示されていて、それがどれも写実的な作品でした。すべてが軸装というわけではなく、カンヴァスに描かれたものもありました。

昭和16年(1941)
須田国太郎は、奈良学芸大学(現奈良教育大学)の講師だったことがあるそうです。奈良県展に出品したこともあったようです。

昭和11年(1936)
上村松園ももちろんあり、お孫さんの淳之さんの作品もありましたがそちらは撮影できないもので残念でした。
近現代の日本画の中には富岡鉄斎、不染鉄、平山郁夫などがありました。
無料で見られるギャラリールームでは奈良ゆかりの現代作家展が行われていて、2月18日から3月9日までは赤松加奈さんの作品が展示されていました。

かなり大きなサイズの作品が多かったです。割と好きかも。
美術館を見てからは、バスターミナルで休憩して(ランチも食べて)奈良博へ行き、毎年恒例の「お水取り」を見て、そのまま地下道を通って仏像館へ行き、特別展示されている深大寺の秘仏・元山大師坐像を見ました。←これがどうしても見たくて奈良へ行ったのです
https://www.narahaku.go.jp/exhibition/usual/jindaiji

調布にある深大寺の元山大師坐像は50年に1度しか開扉されない秘仏なのですが、奈良博にある修理所で本格修理をし、修理完了を記念して東京以外では初めての公開となったそうです。
大きいと聞いていましたが、展示室に入って前に立ってみると本当に大きくて静かな迫力がありました。近くまで行って見ることもでき、額のしわまでも再現してあることが分かりました。3月16日までの公開ですので、この機会にぜひ関西の方は見に行ってみて下さいね。
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