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最後の浮世絵師 月岡芳年
芦屋市立美術博物館で「最後の浮世絵師 月岡芳年」を見ました。芦屋市立美術博物館は芦屋の割と南の方にあり、阪急沿線民は芦屋川駅からバスに乗り換えて行くことになります。気候が良ければ阪神芦屋駅から歩いても行けると思いますが、この暑さでは歩ける気がしません。
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こちらの美術館は入口を入り、カウンターでチケットを買って左側に行くように案内されるのですが、この広めのスペース(ショップが窓側にある)を通ってすぐの階段を2階へ上がると、このスペースを囲むような回廊の壁に作品が展示されており、それを眺めながら歩いていくようなスタイルになっています。回廊を眺めながら歩くと、突き当りの両側に展示室が2つあります。(館内は撮影禁止なので写真もなく説明が難しいですが…)
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さて芳年です。芳年は江戸の終わり頃から明治にかけて活躍した浮世絵師で、国芳に学び15歳で画壇デビューをし、22歳頃から多くの浮世絵を発表し始めました。いわゆる「血みどろ絵」の芳年と言われることが多いですが、今回の展覧会では、国芳譲りの武者絵や歴史絵「一魁随筆」「芳年武者无類」などのシリーズ、怪異もの「新形三十六怪撰」(三十六歌仙にかけてます)、代表作である「月百姿」などから150作近くの作品の展示がありました。
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遠江守北条時政
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芳流閣両雄動
今ちょうど朝ドラ「らんまん」で主人公の万太郎の奥さんの寿恵子さんが、大好きな「南総里見八犬伝」を講談口調で披露していたのですが、そのシーンが現八と信乃のこちらの芳流閣の場面でした。師匠の国芳は横長3枚綴りで描きましたが、芳年は縦に2枚繋いで縦長に描き、建物の高さを強調しました。
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月百姿 南海月
見ていく中で印象に残ったのは、「新形三十六怪撰 皿やしき於菊の霊」です。番町皿屋敷のお菊さんの幽霊ですが、これが美しく透き通った姿で描かれており、通常は恨みを抱いて亡くなった幽霊は恐ろしく描かれることが多いものですが、芳年の優しい視線を感じました。
月百姿も素晴らしいシリーズです。月夜を背景に、歴史に登場する人物たちを描いたものが多いです。人物たちは格好良いキメのポーズをとっており、まさに「絵になる」という一瞬を切り取っています。絵ハガキからとった「南海月」はいわゆる「白衣観音」かなと思われますが、右膝を立てて抱え、ゆったりとした表情で海を眺めています。
月百姿の中には、五条の橋の上を跳ぶ牛若丸の躍動感あふれる姿や、年老いた小野小町の姿、つまり卒塔婆小町と呼ばれる姿を描いたものもあって、この小町も品のある老女として描かれていました。
芳年が大好きなので、ひとつひとつ語り始めるとキリがありません。今回はこれでおしまい。
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