絵本作家 谷口智則展
京都の美術館「えき」KYOTOで行われている「絵本作家 谷口智則展」を見に行きました。
谷口さんは絵本作家ですが、美術大学では日本画を学んでいたそうです。学生時代に絵本作家になることを志したものの、どういう方向の絵本を描こうか迷っていた時に大学の授業で「鳥獣戯画」の模写をして、ウサギや猿が語り掛けてくるような気持ちになったそうで、そういう絵本を描きたいと、方向性を決めたそうです。実際、谷口さんの絵本にはウサギさんやサルくんが常に顔を見せています。
デビュー作は「サルくんとお月さま」で、ほのぼのしつつも寂しさも感じさせる色合いの絵柄で、デビュー後はなかなか日本の出版社では絵本を出せずにいたところ、フランスの出版社から声がかかり『cache-cache』『Tiens Tiens』などの絵本を出版しました。
日本でのヒット作は「100にんのサンタクロース」です。会場のあちこちにサンタさんが立っていて、小さいお子さんたちは嬉しそうに眺めていました。
谷口さんの絵は、黒い用紙に6色のアクリル絵の具、時々墨汁を混ぜて色々な色を作り、筆だけではなくナイフなども用いて描くそうです。会期中にライブペインティングがあったみたいで、その時のビデオが上映されていました(描いたものも展示されていました)。使用している道具や画材の展示もあり、興味深かったです。
そしてバスで移動して岡崎公園で降り、細見美術館へ。「琳派の扇絵と涼の美」を見ました。細見美術館では館内の撮影が禁止なのですが、帰る時にでも美術館の建物や看板などを撮ろうと思っていたのに何も撮らずに帰ってきてしまいました。ですので、展覧会のサイトより画像をお借りしてご紹介します。
琳派は屏風も良いのですが、いわゆるデザイン的なものも面白くて「扇絵」と言われるものは主力商品と言っても良いものだったようです。私は芳中と雪佳が特に好きで、今日は彼らのお洒落なデザインのものを見られて楽しかったです。
俵屋宗理って、北斎の(琳派修行時代の)先生だった方ですよね。
細見美術館さんでは9月から「愛し、恋し、江戸絵画 ― 若冲・北斎・江戸琳派 ―」が始まるそうです。絶対に面白いはずなので見に行こうと思っています。