元離宮二条城
京都2日目は二条城です。関西に住んで二十余年、いつか見に行こうと思いつつも機会がなかった二条城にとうとう行くことができました。
徳川家康が築城し、徳川慶喜が大政奉還の表明ををした舞台となったことで知られる二条城は、ユネスコの世界遺産として登録されています。
上の写真は重要文化財に指定されている唐門で、その他にも東大手門や東南隅櫓、本丸御殿などが重要文化財になっています。大政奉還の舞台となった二の丸御殿は国宝で、御殿の内部は狩野派の障壁画で装飾されています(現在、障壁画は複製で原本は収蔵館に収蔵されています)。
入城は東大手門からで、前もってアソビューで購入していた電子チケットのQRコードを見せて入りました。少し歩くと二の丸御殿に入る唐門があるので、まずは二の丸御殿の内部を見学しました。廊下を歩くとピーピー音が鳴る「鴬張り」で、見学者が多いとピーピーピーピー賑やかです。
二の丸御殿は6棟の建物が連なる形になっていて、書院造と呼ばれる様式になっています。障壁画は約3600面、そのうち1016面が重要文化財に指定されているそうです。
二の丸御殿を出て庭園をゆっくりと見て少し歩くと内堀に囲まれた本丸御殿と庭園があります。本丸御殿は2024年3月まで修理をしていましたが、9月から一般公開が再開されました。
本丸の南西には、伏見城から移築された天守閣がありましたが1750年に落雷によって焼失したのだそうです。石垣だけが残されており、階段を上って本丸御殿や庭園を一望することができるようになっていました。本丸御殿は日時を予約して見学するようになっており、時間に余裕があったので先に天守閣跡にのぼり、ゆっくりしてから本丸御殿へ行きました。
本丸御殿は明治になって皇室の離宮となってから、京都御所の北にあった桂宮家の御殿を移築した建物で、明治から大正にかけて皇太子等の宿泊所として使用されていたそうです。近世の宮家の住まいのありようを見ることのできる建築であり、住居であったことから廊下などが狭いため見学の時には手荷物などを預けてから見ることになっています。畳の縁を踏まないようにとか、壁や障子などを触らないようにとか、写真撮影は禁止とか、注意事項を説明されてから見学しました。
実際に生活されていた御殿ということもあり、湯殿があったり台所の間があったり、公式の場として使われていた二の丸御殿とは違った雰囲気でした。
最後に展示収蔵館を見ました。こちらでは二の丸御殿の大広間、黒書院の帳台の間の障壁画の一部が展示されていました。その中の《名所風俗図》は鶴沢探山の筆だそうで、昨日京都文化博物館の総合文化展示で見た「鶴澤派探求」で名前を覚えたばかりの絵師でしたので少し驚きました。↓これ
本丸御殿の見学を終えて、城内の北側の道を歩いていたら和楽庵という茶室だった建物の中にカフェがあり(前田珈琲さんの茶房前田)休憩することができました。
今日は二条城だけで1万歩以上歩き、もう歩きたくなかったため早めの電車に乗って自宅へ帰りました(本当はこの後京都御所と相国寺に行くつもりだった)。二条城は、このコースで3時間くらいかかりました。入城料、二の丸御殿、本丸御殿、収蔵庫はそれぞれ別料金になっており、御殿の内部の見学をせずに庭園を散歩するだけだと、1時間~2時間程度出てこられるのかもしれません。それほどの混雑もなく(というか空いていた)休憩の場所も多かったですし、京都観光に結構おすすめだと思います。