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エッシャー 不思議のヒミツ
滋賀県守山市にある佐川美術館へ行ってきました。先月より企画展「エッシャー 不思議のヒミツ」を開催しています。
2018年にあべのハルカス美術館で行われた「ミラクルエッシャー展」も見に行っていて、エッシャーと言えば「トリックアート」くらいしか知らなかったのですが、それだけではなくて木版画の優れた技術を持っていたことを知ったので今回もとても楽しみにしていました。
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マウリッツ・コルネリス・エッシャー(略するとM.C.エッシャー)はオランダ生まれの版画家で、木版画やリトグラフ、メゾティントなどの作品を残しました。エッシャーと言えば「だまし絵」「トリックアート」のイメージがあるのですが、旅行先の風景画や聖書の絵も多く描いています。
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上の作品は聖書の天地創造を描いた連作の2日目です。葛飾北斎の「富嶽三十六景」の中の「神奈川沖浪裏」からの影響を受けているそうです(実際に彼の父方の家に北斎の絵があったそうです)。
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エッシャーの木版画の技術は極めて高く、驚くような描写の細かさです。細かすぎてグレーにしか見えない部分もあり、どうやって彫ったんだろうと不思議なくらいです。
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上の「蛇」は最後の作品だそうです。ものすごく立体的に見えますし、版画に見えない(と感じた)けど木版画なのです。そして円の中心に向かって集まるような柄がすごいです。
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シュルリアリスムっぽいです。これはウェルズの「透明人間」に想を得た作品と書いてありました。
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エッシャーは街の風景を多く描いていますが、美しいと思って描いていたわけではないそうです。その空間の構造に関心があって描いていたと解説に書かれていました。
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こういう不思議な空間の作品も多いですね。流れ続ける水とか、上り続ける階段とかもありました。
こちらのエッシャー展は解説がとても詳しく書かれていて、エッシャーの作品を理解しながら鑑賞することができました。冬休みということもあり、お子さん連れの方が多く、お子さんが楽しめるようなトリックアートの体験のコーナーや展示が館内のあちこちにあって、誰でも楽しめるような仕掛けがとても良かったです(作品自体は、おそらく大人向けかなと思います)。
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佐川美術館には常設展として平山郁夫、佐藤忠良、そして樂吉左衞門の展示室があり、そちらもじっくりと見て歩きました。カフェでランチをいただいたり、ショップでエッシャーのグッズを買ったりもしました。館内はとても広く、中から眺める景色も美しい美術館でした。
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