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堺市で文化さんぽ ミュシャ館~堺市博物館へ

堺市にある堺アルフォンス・ミュシャ館へ行こうと思い、GoogleMapを眺めていたところ同じ沿線上に堺市博物館があることに気付きました。博物館の北側には仁徳天皇陵古墳があり、そこを中心として百舌鳥・古市古墳群としてユネスコ世界遺産になっており博物館で関連資料が見られるようなので、埴輪熱がまだ冷めていないこともあり行ってみたいと思い立ったのでした。

まずは堺アルフォンス・ミュシャ館へ向かいました。JR阪和線の堺市駅から歩いてすぐのところにあります。12月から「ミュシャ館の舞台裏」という展示が始まったところです。

フォトスポット

美術館の仕事「収集」「保存修復」「教育」「キュレーション」の4項目について、ミュシャ館ではどういう苦労をされているか、どういう工夫をされているか、など詳細な解説を読みながらミュシャのコレクションを眺めていくという構成でした。

ウミロフ・ミラー(部分)

こちらのコレクションはカメラのドイ創業者である故土居君雄氏の所蔵していたドイコレクションが中心になっています。リトグラフだけではなく水彩、油彩、絵ハガキなど多様なコレクションですが、積極的に新しく収集できるほどの予算ではないこと、学芸員が任期付きの雇用で3~5年しかいられないため長期間いることができないなども解説に書かれていました。
限られた数のコレクションを、年に何度か展示替えをしながら(リトグラフはデリケートなので長期間の展示ができないそうです)企画を考えているそうです。時には外部のコレクションを借りてきたり、ということもあるそうです。

過去の企画展のポスター展示

また、館内にある収蔵庫にコレクションの全てを収納しきれないため、外部の美術専門の倉庫を借りているとか、驚くような裏側の事情も知りました。
ミュシャの作品にはファンが多く(私もその一人です)こちらの美術館の展示を楽しみにしている人は多いと思います。良い状態で少しでも長く展示を楽しめるよう、美術館のミッションである収集もできるよう(シリーズものが揃っていない状況もあるそうなので)行政にも頑張ってもらいたいなあ、と感じました。

ミュシャ館を出て阪和線に乗り、百舌鳥駅で降りました。駅から西に歩き、古墳前のカフェでお昼ご飯をいただきました。カップに埴輪が描いてあります。

ハムサンドのセット

堺市博物館は仁徳天皇陵古墳の南側にある大仙公園内にありました。観覧料はなんと大人は200円。入口の横にある「百舌鳥古墳群シアター」を見るだけなら無料だそうです。シアターでは空から眺めた古墳の姿などを見ることができました。

博物館入口

館内にはボランティアの方がいらして、展示の解説を少しして下さいました。百舌鳥・古市古墳群についてかなり細かいお話もお聞きできて、大阪の方らしい面白い語りで楽しい時間でした。

常設展示は古墳ばかりではなくて、中世から近代の資料も展示されていました。堺の産業や文化、宗教などに関する展示でした。とはいえ、一番力の入っていたのは古代(古墳時代)の展示だったと思います。

犬形埴輪
馬形埴輪(左が復元)

上は仁徳天皇陵古墳の出土品をモデルに復元した馬形埴輪です。

企画展入口

ちょうど今、企画展「羅漢 役行者 行基」を行っています。

行基大菩薩行状記絵巻より

行基さんといえば近鉄奈良駅の前に像が立っていることもあり、奈良の人だと思っていたのですが現在の堺市の生まれなのですね。15歳で出家し、山林修行も行ったそうです(上の絵巻にも書かれています)。

仁徳天皇陵古墳(拝所より)

博物館を出て、仁徳天皇陵古墳の拝所に立ち寄りました。鬱蒼とした森の前に鳥居があるような感じです。こちらの古墳は宮内庁の管理なので近寄れないんですよね。古墳の周りには3重の堀が巡らせてあります(博物館のボランティアの方から記紀の記述通りに整備し直したということを聞きました)。

一番外側の堀

大抵の古墳は上に樹木が鬱蒼と生えていて、緑色のイメージがありますよね。でも作られた当時は盛り土を石で囲って、埴輪をぐるっと並べてある巨大な建造物だったんですよね。当時は海岸線が近く、舟で訪れた外国の人たちは大きな墳墓を見てその大きな権力に驚いたんじゃないかと博物館で聞きました。

大阪に観光で訪れる予定の方がいらしたら、大阪城も良いですけどUSJに行くついでにでも堺市の古墳群に行ってみて下さいね。

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綾小路
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