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コロナ共存生活〜お父ちゃんの日記〜【8日目】

8日目

携帯のアラームで起きる。5分おきにセットしたアラームを全て解除した。子供もゴソゴソと動き出している。

今日は朝から髭を剃ろうと決めていた。鏡の前に行くと酷くやつれた自分の顔がある。普段伸ばさない髭のせいだろうか。

電気シェーバーのスイッチを入れる。ここまで伸ばした事は初めてなので、この剃り方で良いのか戸惑う。少し痛かったが勢いよく剃り上げた。ずっとマスクをつけていたので、久しぶりに見る自分の素顔に違和感があった。人と会っていないせいか、表情がだらしない気がする。職場復帰するに当たり、顔面の筋肉を鍛える必要がありそうだ。化粧水を無造作につけて大きく目を開いた。

子供の機嫌はまあまあ。今日も良い一日になりそうだ。僕と子供は濃厚接触期間が終わっている為、基本的には外出しても良いと思う。でも、子供の鼻水等の症状を考えると寒い中お散歩をするのは避けた方が良さそうだ。週末は暖かくなりそうなので、それまで様子を見よう。

朝一の鼻吸いでは、相変わらず大量の鼻汁がポットに浮遊している。粘性があり白っぽいので、やはりコロナ以外のウィルスの影響か。しかし子供は元気だ。

資源ゴミの日なので、マンションのゴミ捨て場まで出た。中の通路から行けるが何となく正面のエントランスから、歩道側を行く事にした。

外は風が冷たい。空はどんよりと雲が厚い。やはり散歩は週末にした方が良さそうだ。ゴミを捨てると管理人と目が合い会釈だけして部屋へ戻った。

子供のご飯をあげながら、いつもは見ないニュースを何となく見た。北京オリンピックが昨日閉幕したらしい。やっていたのは知っていたが、全くそんな余裕は無かった。スポーツは感動したり勇気を与える。というが、それは段階がありそうだ。今回このような事がなければ、また違った見方が出来ただろう。

ご飯の後は、今日のタスクと家事の段取りを確認した。いつもの清掃洗濯に加えて、子供の野菜キューブのストックを作る必要があった。これは午後から行う事にしよう。そして、子供が寝たタイミングで目標としていた動画作成を行うことを決めた。

一通り家事を終えると、リモート子守をしていた妻と子供の所へ合流する。やはり朝から機嫌も良く経過している。よしよしと。この調子で行けばお昼もスムーズにねんねして動画撮影を行えそうだ。

お昼は昨日のカレーを使用してカレーうどんにした。冷蔵庫からカレーを取り出し、麺つゆと水を足して味を調整する。スパイシーでコクがあり最高な仕上がり。油揚げと長ネギを加えて軽く煮込んだ。子供が食べ終わるタイミングで鍋に火をかけ冷凍の讃岐うどんを解凍し、器を温めた。うどんにカレーをおもむろにぶっかけ、熱々なうちに一気に胃に流し込んだ。

その様子を子供がリビングの床から見ていた。食器を片付け近寄り「あっちいって、ねんね?」と聞くと嬉しそうに「はいっ!」と返事があった。機嫌の良い時のいつものやりとりだ。

抱っこをして寝床に行くと、あっという間に静かになり入眠した。子供を布団に置いて動画撮影の準備にとりかかった。

書斎のレイアウトは数日前にスタンバイしてあった。内容も紙に書いてある。後は着替えて撮影するだけ。眼鏡を外しコンタクトを装着した。服を選び着替える。カメラの位置を微調整して撮影を開始した。身体調整のワークアウト動画なので、ストレッチや体幹トレーニングをミックスさせた内容だ。カンペをカメラの下に貼り付けたが大体流れは頭に入っている。

撮影を開始し始めると、窓から太陽の光が差し込んできた。ブラインドから漏れる日差しが気持ち良い。凄くリラックスしている。太陽の光にはそういう作用があるのだろう。撮影は一発で終了した。念のため、別アングルからも撮影して概ね30分位で全て完了した。

思いの外早く終わったので妻におやつの差し入れをし、自分へのご褒美としてアイスを食べた。仕事の後の報酬は格別だ。

子供はまだ寝ている。子供の爪が伸びていたことを思い出し、寝ている間に手の爪を慎重に切った。足はまた今度にしよう。

しばらくすると子供が起きてきたので、おやつの準備を開始した。それと野菜キューブのストックを作らなければならない。人参、キャベツ、えのきをみじん切りにし圧力鍋にかける。バターと粉末出汁で味を整える。後は型に流し込んで冷凍して完了だ。もう手慣れたもんだ。

子供におやつをあげている時に排便があった。これで明日も機嫌が良いだろう。この所、便秘なく経過している。多分、水分をかなり意識して摂取させているのが功を奏しているようだ。もちろん、慢性便秘薬を服用しているがそれでも出ない時はでない。色々意見はあると思うが、この方法が一番効果があると考えている。

夜もご飯は完食。さらに排便があった。うんうんと。夕方思った通りだ。それからいつもの様に入浴と全ての片付けをして一日は終わった。

明日は妻の隔離期間最終日となる。ここまで部屋の中を中心に暮らしている為、体力的に廃用が進んでいるだろう。何度かスクワットや足踏み運動を促したが、継続してやっている形跡は無さそうだ。

僕は高齢者の介護保護施設で働いている。若者はこの程度で済んでいるが、高齢者となるとコロナそのもので重症化する可能性があるのは勿論、隔離による心身の廃用が心配だ。

また、コロナにかかっていなくても社会的な不安から行動を自粛している人が多い。実際、それで虚弱となって通所リハビリを利用したい。という方が増えているのが現実。

この第6波の期間に行政から介護予防教室の依頼があったが、それも中止となっている。高齢者は一体どこにいけば良いのか。

僕がこの状況でやれることは限られているが、少しでも悪あがきをして未来を創造する事が僕の使命なのかもしれない。

最終体温36.4℃
ここまで家庭内感染せずにこれた自分を褒めてあげたい。明日は最終日。おやすみ。

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