スウィング25回目の主催展覧会、スウィングを代表する詩人・向井久夫と画人・XLの2人展を開催する。
ショウガイシャとしての2人ではなく、それぞれ53歳、46歳からゲイジュツをはじめたおっさんの生き方に人生100年時代を生き抜くヒントがあるのではないか、全然ないかもしれんけど ― そう考えて企画した。
会場となる「スペース響野」(埼玉県狭山市)は、「オオツカ商店」(アンティーク時計や篠笛販売)や「入間清流塾」(学習塾)の一角にある(あるそう。まだ行ったことがないので……)レンタルスペースだ。
主宰されているのは大塚岳史さん。大塚さんの生業としての仕事は学習塾経営なのだが、多角的に、お金目的ではない仕事を展開しておられ、こうしたスタイルにはスウィングとの親和性を強く感じる。
また、大塚さんの生き方自体もこの展覧会の趣旨に呼応している。
大塚さんは僕が長年参加している和太鼓集団「婆沙羅」の元代表で、約2年前にご両親も亡くなられて誰もいなくなったご実家に戻られ、人生後半戦を再起動させた。この決断に当時、僕たちはとても驚いた。大塚さんはいつまでも婆沙羅の不動のリーダーだと思っていたし、生活の保障なんてなんにもないチャレンジだったからだ。
かくいう僕自身も人生後半戦に差しかかり、気力体力の衰えを感じつつ(更年期障害を確信しつつ)、さあこれからどうやって生きてゆこうかなあと思い惑いながら日々を送っているおっさんのひとりだ。2人の作品は誰が見ても楽しめるものに違いないが、人生のこれからに迷える人のヒントになったり、余計な緊張がほぐれて「先のことなんてどうせわからないんだから!」と、いい意味でのヤケクソに変わるような場になればいいなと思う。
会期初日、11月16日(土)には46歳から絵を描きはじめ、49歳から似顔絵描きをはじめたXL本人も登場します(似顔絵、描きます)。ぜひぜひご来場ください!