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ダーティー株式会社
たとえば僕のなかにも「花屋さんはいい人っぽい」なんて偏ったイメージがありますが(ありましたが)、このいい人イメージ、いいことやってるイメージは<福祉施設経営>という肩書に対しても、さらに<NPO法人>という形に対しても向けられ続けてきたものでした。
「障害者の福祉施設を? へ~」「NPO法人で? は~」というような、なにか神々しいものでも見上げるような感じ。
違和感に耐えられずに「いや、別にいいことなんてしてないですけど」とマジメに応じると、殺されそうな勢いで「そんなことない!! 絶対いいこと!!」なんて不毛な水かけ論になることもあったので、たいていの場合はビミョーな表情を浮かべてやりすごしてきました。
が、スウィングの運営法人を「株式会社NPO」に変更して2年目。
<株式会社>に向けられる世間の目というやつに少しずつ気がつきます。
「株式会社を? へ~」ならばありますが、ここに<障害者>や<福祉>というワードが加わると一気に雰囲気が変わります。
「障害者の福祉施設を? 株式会社で? ふ~ん……」
「障害者の福祉施設を? 株式会社で? う~む……」
と、こうなりがちなのです。
株式会社の原則は利益の追求。資本主義の、金儲け主義の代名詞。ダーティーなニュースをよく聞くのも株式会社。株主総会とかなんか怖い。といったイメージの延長線上に「ふ~ん……」や「う~む……」があるのだと思います。
つまり、よくはわからないけど手放しでは信用ならんということ。
何を隠そう、僕自身もかつてはそう思っていました。
実際には法にのっとり、適正な運営をしている株式会社がほとんどなわけで(と思います)、逆にイメージに反してダーティーなNPO法人だって社会福祉法人だって花屋さんだって存在するのが現実というもの(花屋さんのことよく知りません。存在しなければスミマセン)。
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株式会社NPOの場合はこれまでと全く同んなじ、NPO法人であろうが社会福祉法人であろうが合同会社であろうがすべての法人が従う障害者総合支援法に則り、これまで通りの理念を持って、これまで通りの市民活動を続けています。
むしろお金の面で言えば収入は変わらないのに税制優遇などがないので支出は確実に増加。
でも、なんか、ダーティー。
そんな偏見に意を唱える意味でも「株式会社NPO」と命名したわけですが、いつか日本のどこかに「NPO法人株式会社」が誕生するのを密かに期待しています。
それこそなんのメリットもないので、誰もわざわざつくらないと思いますが。
刷り込まれたイメージ、偏見の力は抗いようがないくらい、ものすごいものがあります。
ていうか偏見には「自分では気づかない」という恐ろしい特性があります。
だから「偏見を持つのはやめましょう」ではなく、「自分自身も確実に、人間の力の限界として偏見チョー持ってる!!」とまずは知り、受け入れることが大切なのではないでしょうか。