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描く前からもうピーク
商品開発などで<ターゲットを絞り込む>というプロセスが必須とされるように、最近のスウィングではこれから描く絵を誰に届けたいか? できるだけ具体的にイメージするよう試みている。
実際に誰に届くかは問題ではなく、とりとめなくなりがちな制作をシャープにするために。
そりゃ毎日毎日描いてるんだから、とりとめなくなってしまって当然だから。
そんな中、ターゲットを<スイーツ>好きの<若い女性>、具体的には<17才くらい>の、と設定したのはQちゃんだ。
作品を届けたい相手として誰をイメーしようが自由である(合ってますか?)。
でも、どうしても、「なぜ??」という問いが頭をもたげ、「せめてもう1才上なら……」なんて余計なことを考えてしまう。
何も災いは起こっていないのに、「口は災いの元ってこういうことなのかな」と思ったりもする。
是か非かはともかく、強い。51歳のおじさんから放たれるワードとして、あまりにも強い。アラレちゃんも真っ青のつおさだ。
これから描く作品のためにターゲットを絞り込んだだけなのに、たった3語で、描く前からもうピーク。
なんなんだ、この現象は。ひょっとしてこれがもう作品ってことなのだろうか。
スウィングのモットー、<ギリギリアウトを狙う>を体現している?
いや、でも狙ってやってるわけでもないらしいし、「これはちがいます、こういうんじゃないです」って言いたくなってる自分がいる。
でもギリギリアウトには、ていうかすべての表現には快も不快も伴って当然だから、この揺らし方って真っ当なものなんじゃないの? ていうか勝手に自分が揺れちゃってるだけ?
スウィングが止まらないが、ひとつだけ揺れずに言えることがある。
Qちゃんは正直だ。
あったことをなかったことにしたり、なかったことをあったことにしたり、ウソが堂々とまかりとおる荒野のような世の中を、ほとんど素っ裸で歩いている、そうした稀有な人物であることは間違いない。
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……ああ ああ、せっかく、なんとかかんとか終わろうとしたのに、やっぱり、やっぱり来たか。
やって来たのはもちろん、「王様は裸だ!」と叫んだあの子ども(in 『裸の王様』)である。
「どスケベの話じゃないか! どスケベの話をうまくまとめようとしてるだけじゃないか!」
相変わらずキミ、ようしゃないね。