見出し画像

京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」@インスタ映えない清水寺編

現在、21_21DESIGN SIGHT(東京)で開催中の「ルール?展」がバズっているのだそうだ。

バズる。

聞いたことくらいはある。「第150回ゴミコロリ」がYahoo!ニュースに出たときには「バズってるよ!」と何名かの方に連絡をもらった。つまりスウィングもバズったことがあるわけだ。

でも、どういう意味なのだろう。なんとなく雰囲気は察しているつもりなのだが、要するに「とても盛り上がっている」といった理解でいいのだろうか? 「バズ」に何らかのヒントや語源的なやつがありそうだが、どうも調べる気にならない。そもそもがこういうナウい言葉についていけず、拒絶感を覚えてしまうタチなので無理。一歩も動けない。

ぜんぜん関係ないかもしれないが、実は未だに「有機」や「オーガニック」の意味すらよく分かっていない。やはりナウい感じにひいてしまって調べたいとも知りたいとも思えないからだろう。

んもう。「ナウい感じコンプレックス」のバカバカバカ。

ともあれ、ものすごく盛り上がっているのはいいことなんじゃないか。

anan掲載 (2)

QやXL(の写真)がまさかの『anan』に載ったのには笑ったし、この記事も興味深かった。

★「ルール?展」に若者が殺到の理由、窮屈さを反映?でも変えるのは…/来場者に聞いてわかった〝決まりごと意識〟

また、Instagramが面白いことになっているというのでチャチャっと見てみると、ナウいヤングたちがインスタ映えを狙って「ルール?展」を撮りまくっているらしく、絶対に映えないQ&XLのパネルと一緒に写真を撮るヤングも珍しくないようだ。

失礼ながら、これはだいぶ笑える。

insta映えしてない

見知らぬただのおっさんとイエーイ! なんてなってしまうのは、21_21 DESIGN SIGHTというお洒落スポット(イエーイ! 偏見!)と、「インスタ映え」という承認欲求が勝手にコラボレーションして巻き起こった非常に現代的且つ奇妙なバグと言えるだろう。

2人の心中が複雑なのは言うまでもない。ミスターノールール・Q氏ですら、いくつかの画像を見せると「わお~……」と聞いたこともないようなか細い声を出し、見たこともないような微妙な表情を浮かべていたのだから。

画像3

実は2人のパネルと来場者との撮影は舞台裏ではちょっとした問題になっていて、動くし傷むしなんとか対策をせねば、という議論が少し前に交わされた。企画者側からもいくつかの提案があったのだがスウィングの意向を尊重してもらえることとなり、いかにもルールらしいルールを設けるのは嫌だったので、『いっしょに撮っても映えへんで』『撮るならお触り禁止やで』という(2人の手書き文字の)吹き出しがスピーディーに設置された。

画像4

はたしていかほどの効果(または逆効果)を発揮しているのかはよく分からないのだが、とにかく愉快だ。

画像5

しかし数多くの<#ルール展>投稿を追ってみると、ギャラリーは、作品は、ほとんど「自分を映えさせるため」にあるように見えるし、投稿の数こそ多いものの、そのバリエーションは極端に少ない。同じ場所、似たような撮り方、映えるところが数少ないのか、誰かと同じような投稿をしたいのか。一見楽しげだけれど過剰な均質性や同質性を感じてしまって息苦しくなってしまうが、同時にそれが「安心」に繋がることも何となく理解できる。

画像6

しかししかし、我らが現場はギャラリーの中でもInstagramの中でもなく、生々しい京都の街中にある。

コロナ禍における日本人観光客案内にも少しずつ慣れてきたし、京都の観光地も少しずつ賑やかになってきた。

そんなわけで去る9月27日(月)、我々は無類の安定感を誇る世界的観光地のひとつ、清水寺へと向かった。

京都人力交通案内、通算70回目の出動である。

……う~んと、でもね。今回メンバーがちょっとイレギュラーで。

まずQ氏のお父さんが直前に亡くなり参加できず、撮影の美馬君とは「連絡不十分」でやはり参加できず。

だからレギュラーメンバーは僕とXLだけだったの。

画像7

心細いったらありゃしないけど、その日偶然スウィングに遊びに来てた友人・島さんをカメラマンにスカウトすることに成功し、ほんでもって京都市の職員さんが2人視察に来られたから全然寂しくなかったの。

寂しいってダメ。

寂しいときには「寂しい」って言えて、その声が誰かしらにちゃんと届く、そんな社会にしないとね。

そしてここまで書いてなんか疲れちゃったから、もう要点だけにする。

画像8

・清水寺には月曜なのにそこそこの人が来ていた。だからそこそこの人たちに案内をすることができた。

・休日はもっとたくさんの人が来てるんだろうなあ。

・清水寺に向かう人が利用するバス停は「清水道」と「五条坂」と2つあるが、今回は「清水道」に陣取った。

画像9

・清水道バス停はA、B、C、3つの「のりば」があった。でもBとCが同じ進行方向にあって、しかも推定50メートルくらいしか離れてないから、ちょっと意味が分からなかった。

・最初は「Aのりば」で案内開始。ここでは京都駅へと向かう人たちがほとんどだった。

画像10

・しばらくして「Cのりば」へと移動。やはり「本当は『Bのりば』から乗るのが正しい」人たちが大量発生していた。でもお陰でやり甲斐はグンと上がった。

・たぶんB、Cをひとつにしてしまうと、発着するバスの系統や本数が多すぎるんだと思う。でも「清水道」は「四条河原町」のような、いくつかに「のりば」が別れてて当たり前の都会な感じではないので、やっぱりとっても分かりにくい。

画像12

・この日バス停で出会った外国人はひとりだけ。だからやっぱり、ほぼ全員日本人だった。

・XLは焦るタイプなので、なぜか交通案内中はめっちゃ落ち着いてるQとのチームワークがやはり重要。不在によって、かえってその人の存在を強く感じることってあるよね。

画像12

・Qがいないということは、京都駅チャンス! だったことに途中で気づいた。京都駅でやると必ず警備員さんたちに周りをウロウロされるので、Qがそれをとても嫌がる。でも木ノ戸、XLは平気なので、ああ行けば良かった。。。

・カメラマン・島さん(ありがとうございました!)ははじめてと思えないくらいに動きが良く、そして楽しそうだった。

画像13

・京都市職員の田中さん、竹内さん(ありがとうございました!)も公務員、公務員ぜんぜんしてなくって楽しくお話できたし、楽しそうだった。そもそも公務員、公務員してる人は視察になんか来ない。

・今、「公務員、公務員」で『クレイマー、クレイマー』を思い出した。久しぶりに観たい。

画像14

・あ、そやそや! 自転車に乗って行き過ぎた人がキキーー!! って止まって、ほんっとに驚いたような顔を浮かべてこっち見て、ほんで近づいて来はった。なんと最近フリーペーパー『Swinging vol.30/Q&XL特集号』をどこかのカフェかなんかで読んだらしく、ウソー!! ホンモノがいる!!! ってなったらしい。「奇跡みたい」と喜んでくださって嬉しかった。世界は繋がっている(って言いたい)。

以上。

次回、京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」は10月25日(月)、京都のどこかに出没予定である。

画像15★21_21DESIGN SIGHT企画展「ルール?展」は11月28日(日)まで!★

・京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」も登場する「ルール?展」は絶賛開催中!

・混雑緩和のため、ウェブサイトでの事前予約制となります。

・ご予約受付はこちらからどうぞ! →

いいなと思ったら応援しよう!