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『wel-bee vol.4』掲載:時々うずく位になるまで
さあ癒しについて何を書こうかなとコタツに潜り込んで考えていたら、黒猫のルルが甘えるように僕の手をペロペロと舐めるので「ああ、癒される……」と身もだえる。でもきっとこの数時間後には腹を空かせてニャーニャーやかましく鳴き出すのも知っていて、さらにはその時の僕が「うるさい猫だなあ」と偉大なる癒しの主にイライラすることも知っている。なんていい加減で浅はかで、平和的な癒しなのだろう。
でもちょうど1年前、僕の置かれた状況は今とは全く違っていた。仕事、生活、そして心を深く損ねられる事態に直面し、コタツで猫と戯れ癒しを感じる余裕なんてまるで持てず、ただただ混乱して頭を抱え、時に子供のように泣き叫びながら出口の見えない日々を送っていた。
このややこしい社会を生きている限り、人は誰しも予期せぬ苦しみに出会う。今、正にそうした渦中にある人は一足飛びに前を向こうと焦ったり、「もっと悲惨そうに見える誰か」と比べる必要なんてない。世間の物差しではなく他ならぬ自分自身にとって大事な人や物事を見極め胸に抱き締め、心に刻まれた傷が時々うずく位になるまで、ゆっくりと癒し続けてほしい。
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★ この文章はフリーペーパー『wel-bee vol.4』より転載しました。
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