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天寿全うクライシス

2ヶ月ぶりくらいになるでしょうか。
ひさしぶりに男性更年期障害外来を受診しました。
医師には「万全とは言いがたいけれど総合的には以前よりもいい感じです。元気じゃないけど悪くない(by 青山ゆみこさん)です」と伝えました。

この間、処方された漢方薬を毎日欠かさず服薬し、昨年末からは人にすすめられて、ある身体的ケアを定期的にはじめました。

他にも意識的に続けてきたことがいくつかありますが、そのどれもが<自分だけの>内発的な動機でははじめられなかったことです。

およそ1年前に子どもが産まれたことやそれゆえに必要なこと、そのもっと前に危機に陥ったスウィングを「続けたい」と仲間たちが言ってくれたこと、それらの外発的な要因がなるべく元気に生きるほうへと僕を運んでくれました。

男性更年期障害、ミッドライフクライシス……。
呼び方はいろいろありますが、それらの状況は生き物としての自然なんだろうなと感じます。

現代でいう「中高年」(40~59歳)も、時代が違えばいわゆる「天寿全う」。たとえば江戸時代末期でさえ、平均寿命は45歳だったと言われています。

言い換えれば「天寿全う」状態から、もっかい生き直さなければならないのが現代社会です。

よくがんばったね! おつかれっした! と抜けてゆこうとする命を「ちょ、待てよ!」とムリ繰り引き戻そうとしているのだとしたら、そりゃ大変。むしろ相当な不自然と言えるかもしれません。

中高年の自殺が多いのは、男性更年期障害は、ミッドライフクライシスは、その正体は<天寿全うクライシス>だったのです。

「人はひとりでは生きられない」とよく言われますが、全くその通りだと思います。
更年期に限らず、生き続けるための選択が自分の意思だけではとてもできないという状況が、大なり小なり人生には訪れるものです。オイオイこれ、自分で解決すんのかよ、ムリムリ。。。といったような。

「自分自身で決めることが大切」と言われますが、果たしてそうなんでしょうか?
その理屈はよくよくわかるし大事にしたいことだけれど、ちょっと自分という存在に期待する度合いが強すぎるのではないでしょうか。何もかもを自分任せにしないで、もっともっと他者を頼ってもいいのではないでしょうか。

それもひとつの立派な自己選択。
人はひとりでは生きられないし、そんなに強くなくてもいいのだから。

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