私の混乱、眼科医の葛藤
目のかゆみや充血、異物感が4月の頭くらいから続いていてスッキリしない。
疲れが出ているのだろうと市販の目薬でごまかしてもあまり良くならず、先日近くの眼科に通院した。
世の中にはこんなに目の具合が悪い人がいるのかと驚くくらいに待合室はいっぱいで、受付時間ギリギリに駆け込んだ僕が診てもらったのは午後の8時を回っていたと思う。
診察の結果、「何かのアレルギー反応を起こしているが深刻な状況でもない。2種類目薬を出すので1ヶ月ほど1日4回さしてください」ということになった。
少し安心して待合室に戻り、ほどなく受付に呼ばれて袋の中身を見ると、2種類の目薬が<2本ずつ>入っている。
支払いを済ませながら少々混乱する。え~っとこれは、2本で1ヶ月分? それとも2ヶ月分?
分からないので「これで1ヶ月分ですか?」と受付のスタッフに尋ねてみると「そうですね~」……では終わらなくってまだ続く。
「でも上手な人だと2ヶ月はもちますね」
どっち!??
さらに混乱は深まったが、もう時間も遅いし待合室の掃除もはじまってるし、明日の朝はまた9時から診察がはじまるし、「あ、なるほど。どっちでもいいのだな!」と分かったのでそれ以上質問するのはやめておいた。
そして考えた。
朝の9時から夜の9時まで、毎日毎日具合の悪い人の目ばかり見るという眼科医の人生を(なんという大きなお世話だろうか)。
「人の目を見て話しなさい」なんてしょっちゅう子どもの頃に言われたが、ちょっと見過ぎなんじゃないか。
でもともかくここの先生は、きっと具合の悪い目が好きなのだろう。
なんかそういうのが丁寧な話しぶりや発する雰囲気から伝わってきたような気がしないでもない。
一生懸命勉強していざ眼科医になってみて「あ、おれ目好きじゃない! 耳とか鼻とか喉のほうだったかもしれない!」って気づいたら、それはやっぱりこの世の不幸のひとつだろう。何事も好きじゃなければ続かない……っていうかさっさと目薬さして治せ、おれ。