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京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」(第72回)@復活の金閣寺編

コロナ禍のはじまり以降、「疲れた」とか「疲れやすくなった」と言う人に頻繁に出会うようになり、僕自身も疲れを実感することが増えたように思う。

四十も過ぎれば当然のこと、でもどうやら年のせいだけでもないようで、ずっとずっと若い人だってこれまで以上の疲れを感じている人が多いようだ。

ほとんど疑問と違和感しか抱けなかった「ルール?展」に行って、ずっと考え続けて最近気づいたことがある。

ああ、あの空間はコロナ禍の社会そのものみたいだったんだな、と。

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コロナ禍の訪れと共に僕たちには「やってはいけないこと」や「やらなければいけないこと」が急激に増え、どこへ行っても絶対的な正しさに満ちた、同じような強いメッセージや監視の目に晒されるようになった。

たとえばそれは山奥の、人気のない公園の公衆トイレにだって行き届いており、そんな少しの隙もない厳しい監視の目、見えない圧力やルールや不信が、コロナ感染への不安や恐怖以上に僕たちを疲れさせてきたのだと思う。

自由を奪う管理は人を疲弊させる。

それは数値化もできないし分かりにくいものだけれど、恐らく自分たちの想像以上に、軽いボディブローを間断なく浴び続けるように、ジワジワと人々の気力と体力を奪い続けているのだろう。

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日本の感染者が急速に減り、それと比例するようにここ京都も驚くほどのスピードで人でいっぱいになった。

秋という観光シーズンが重なったことも大きかったに違いないが、厳しい管理から解放された人たちがシャバの空気を求めて一気になだれこんだ、そんな印象を受けざるを得ない。

市内各地が観光客で溢れかえる状況に、京都生まれ、京都育ちのあちゃみちゃんは「いきなりこんなに来んといてほしい」と少々お怒りモードだ。しかし彼女が最近立て続けに行ったのは「東京ディズニーランド」と「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」。棚上げがスゴイ。ほんまにどの口が言うとんねん(ああ、あの口か)。

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さて、我々が72回目の京都人力交通案内に出動したのは11月15日(月)のこと。

前回10月25日の出動では修学旅行生の復活を目の当たりにしたが、まだまだ京都の観光地がどういう状況になってるのか全く分からなかったので行ってみてまあ驚いた。みんなマスクをつけてはいるが、外国人の姿はまばらだが、これは、まさに、コロナ前の感じじゃないか。 

向かったのはかのゴールデンテンポー、金閣寺。

僕たちの偏見、独断、実感調べではコロナ禍前までは伏見稲荷大社や清水寺をおさえて京都最強。

が、コロナ禍以降は最も(訪れる人が減ったという意味で)ダメージを受けた場所、景色がまるで変わってしまった場所だと感じてきた。

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いい悪いは分からない。

でも僕は観光バスも修学旅行生もその他の旅行者もたっくさん! の、その光景を見て嬉しかった。

賑やかなのは個人的には苦手だが、楽しそうな人たちの様子を見ていると幸せな気分になる。

※ ちなみにこの日以降も京都の人波は増え続け、今現在はもっとエライことになっているようです。

案内も忙しかった。ほとんど休みなく30組くらいは案内したんじゃないだろうか。こんなのいつ振りだろう。

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Q&XLもとても生き生きとしていた。久しぶりに現場に立った美馬君も、この日も入っていた撮影陣も楽しそうだったし、僕も楽しかった。「ルール?展」のダメージのせいもあってか、現場で、地道にやり続けることの生々しさや確かさを改めて実感した。

そこにあったのはきっと自由だ。

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社会を変える。

そんなの一足飛びには、ただの1回きりのイベントでは不可能なことだ。 

そのためにはそれぞれの、正解のない現実の中で、実験と試行錯誤を繰り返すしかない。

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さて、今年の京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」はこれにて終了。

次回は2022年1月24日(月)、京のどこかに出没予定である。

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