台湾映画。

Good morning

「これ、めちゃくちゃヒットしたんだよ。観てごらん。」

そう、叔父に言われたのは、私がまだ大学生になりたての頃。
台湾人の叔父から、1本の台湾映画のDVDを渡された。

当時の私は、さほど自分のルーツに興味がなく、どちらかというと未来思考が強すぎたせいか、過去や歴史を考えることをおざなりにして生きていた。
だから、叔父からもらった映画が、戦争の要素を少〜しだけ入っていると聞いただけで、表では感謝しつつも、持ち帰る荷物になるそのDVDに大した興味を示さなかった。

あれから、約10年が経ち、まさか今になって台湾という国について書籍を漁り始めた自分がいる。今となっては、日本に負けないお洒落なカフェが台湾のあちこちで展開されているが、私が幼少期の頃は、そんなカフェを聞くことも見ることもなかった。ましてや、公衆トイレにトイレットペーパーはなかったんだから!
今思うと、本当に良い時代に毎年台湾を訪れていたのに、言葉が話せないことを良いことに、勉強するんだと良い子ぶって一人で冒険しに外に出なかったことが悔やまれる。

さて、その叔父からもらった映画をこのGWで視聴した。

台湾の作品は、見る者の好き嫌いをはっきりと二分させる。
というほど、台湾作品を沢山観たわけではないが、いくつかのドラマや映画を観てきて、台湾独特の作風がある。それは先日、ドイツが制作した映画を観ていても思ったが、国によって作風というものがあるのだな、と。かつて、ミニシアターでフランスの映画を観ていても感じた。独特だ、と。いや、その作品が独特だったのかもしれない。

台湾の作品は、ドラマティックなものが多いように思える。それは台湾人の国民性からくるものなのだろうか。たまに、作品と私の脳の間にタイムラグが発生したりする。あれ、展開早いな、と。あれ、人を好きになる布石が弱くないって、かつての脚本の講座の先生は言うんじゃないかなと思ったりする。

どちらかというと、戦後、日本に帰国しなくてはならない日本人についてや、植民地時代の台湾人と日本人の関係性…
そういったものをネットで浅く集めていると、そこの多くの人たちのドラマがあったのだろうと思わずにいられなかった。

どの時代に生きるなんて、選べないものだけれど、激動の時代に生きていた先代たちの面影を観た気分だった。

Have a good weekend!

文章にあった絵を書いてくださる方、募集していたり。していなかったり。