「思考」×「行動力」のかけ算もエグい ―転職と副業のかけ算―
motoさん著の「転職と副業のかけ算」というビジネス書を紹介したい。
motoさんは転職と副業により年収240万円の地方ホームセンター店員から年収5000万円を稼ぐことを達成したサラリーマンである。
この本では、転職と副業にフォーカスが当てられているが、
その根底に流れる思想は「思考」と「行動力」を非常に重視されている。
転職や副業に役立つ具体的な方法は本書を読んでもらうとして、今回はその「マインド」に注目していきたい。
第1章、第2章ではmotoさんの人生を振り返りながら、「働くうえでの考え方」を学ぶという構成になっている。
学生時代のエピソードからもmotoさんが「行動力の塊」であったことがひしひしと伝わってくる。
▶学生時代のmotoさん
motoさんは小学生の時、自身はゲームを進めずに毎回リセットして、最初の3匹のポケモンを売ってお金を稼いでいた。
僕だったら、小学生の時点でお金を稼ごうという発想にまずならない。お小遣いがもらえない→我慢するという思考だったと思う。
motoさんは小学生当時からお金を稼ぐための「マインド」が形成されていた。
motoさんの中学時代では、新作ゲームを買った友人に新品の箱を譲ってもらい、ゲームショップで買った「中古・箱なし」のゲームソフトを入れて売ることで高値で買い取ってもらっていたそうだ。
「新品のゲームをプレイして飽きたから売る」という思考ならわかるのだが、モノを売って利益を出すシステムを中学生のときに考えられてるって相当凄い。
中学生なんて「ゲームをどうやって攻略するか?」「どうやって良いスコアを出せるのか?」とゲーム内で思考が完結してしまうはずなのに、
ゲームを楽しむ人たちを見て「これは商売になる」と考えられるとは…
この思考に至るには「いかにしてモノを高く売るか?」を常に意識して生活してないと無理だ。
しかも、実際に行動に移しているのもすごい。
「どうやったら高く売れるか?」という思考を基盤にして、
実際に「行動に移す」ことで利益を得る。
「思考」と「行動力」両方伴って初めて、最大の利益が生じる。
高校時代のエピソードもこれまた「してやられた」と驚かされるので本書で是非確かめてください。
▶就職活動でのmotoさん
就活では学生時代に培った「思考」と「行動力」の芽が爆発的に開花する。
motoさんは自身の短大卒という学歴の壁を越えるために
社長に直接メールしたり、
自分なりにプレゼン資料を作って面接官に配ったり、自分でサイトを作って紹介するなど、あらゆる手段を用いて自分をアピールしていった。
社長へのメールの仕方がまた凄いので、本文より抜粋する。
就職活動中にもらった社会人のメールアドレスを見ていると、名字と名前、ドメイン名で構成されているパターンが多くあるため、いくつかのパターンを作って社長宛に送ってみたのです。
ここでも、社員のメールアドレスの法則を見つけ、社長のメールアドレスを推察する思考力と実際に社長にメールを送る行動力が発揮されている。
転職や副業に限らず、どこでも通用する「思考」×「行動力」という武器を持つmotoさんが年収を240万から5000万まで上げられたのも納得だ。
この他にも、思わず唸ってしまうmotoさんのエピソードが多数収録されているので、気になった方は「転職と副業のかけ算」を読んでみてください。
▶「思考」と「行動力」のバランス感覚
「方法を思いつくけど、やらない人」
「方法さえ知れば行動するけど、その方法が分からない人」
どちらも多く存在すると思うが、思考と行動力を併せ持つ人はかなり稀有だと思う。
概して、考える人は行動するのが面倒だから先に思考する、
行動する人は考えるのが面倒だから先に体を動かす傾向にある、と勝手に思っている。
その相反する性質を一人の人間の中に同居させるのは凄いと素直に思う。
両方の性質を先天的に持ち合わせている人は少ないからこそ、意図的に自分にはどちらが足りないのかに気づき、修正していく必要がある。
「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」
本の中にも出てくるが、これはmotoさんもかつて在籍していたリクルートの社訓だ。自分の市場価値を高めるために、この言葉を教訓としたいものだ。
この社訓は、リクルートの創業者である江副浩正氏によってつくられたものである。江副氏の生涯について書かれた本はこちら↓
リクルートという現在日本を代表する大企業を創立したダイナミックな男の生き方に触れることができます。
▶就職活動にも役立つ
就活を一回経験した立場から本書を読んだ感想として、
「転職と副業のかけ算」というタイトルではあるものの、
これから就職活動をする人にも役立つ内容がたくさん詰まっていると思う。
転職で用いる「職務経歴書」はエントリーシート(ES)に置き換えられるし、面接で話す前職での経験は、大学での活動にそのまま置き換えて転用できる。
就職してからも、転職する可能性があるということを加味しても、一度就活生は本書を読んでおくべきだと思う。
▶「大切なのは行動すること」
motoさんはこの本で「大切なのは行動すること」と書いている。
今まで見てきた事例のように、
「思考」は「行動」が伴ってこそ、初めて成果として現れる。
「思考」と「行動力」のマインドを積み上げていく第一歩目として、本書を読んでみることから始めてみてはどうでしょうか。
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